オランダコネクション。ピーター・ビーツとストーケロ・ローゼンバーグの共演@North Sea Jazz Club

ジャンゴ・ラインハルト・NYフェスティバル(Django Reinhardt NY Festival)は2000年からニューヨークの有名なジャズクラブ、バードランドで行われているジャンゴフェスだ。ドラド・シュミットDorado Schmitt、アンジェロ・ドゥバールAngelo Debarre、リュドヴィック・ベイエLudovic Beierなど、毎年ヨーロッパからマヌーシュ・ジャズの有名ミュージシャンを招いて行われている。Air Franceが旅費をスポンサーしているのか、毎年豪華なメンバーが出演している。今年は7月4日~9日までの開催が決まっており、このフェスのために結成される今年の"Django Festival Allstars"には、サムソン・シュミットSamson Schmittやリュドヴィック、そしてピエール・ブランシャールPierre Blanchardなどが参加するようだ。
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さてそんな情報を調べているところで、オランダのジャズピアニスト、ピーター・ビーツPeter Beetsが昨年の8月に開催された本フェスに参加していることがわかった。共演しているのが、ストーケロ・ローゼンバーグStochelo Rosenbergのトリオ。これは…オランダ出身同士の共演ということか。

そして、昨年の11月に、ピーター・ビーツとストーケロはアムステルダムのジャズクラブでも共演を果たしている。たぶん、NYのDjango Festivalと同じメンバーではないだろうか。アップされているのは、全曲マヌーシュ・ジャズのレパートリーになっている。
以下のチャンネルで、ライブの様子がわかるのでお勧めだ。ピアノが良い存在感をもってRosenberg Trioになじんでいる。

www.youtube.com

勝沼ワイナリーめぐり旅で、国産ワイン三昧


GW最終日に、友人と勝沼にてワイナリーめぐりをすることにした。集合は新宿駅にて。中央線で大月から数駅行ったところに「勝沼ぶどう郷」という駅があった。休日だというのに人手はとても少なく、しかも天気は曇り。歩いてワイナリーめぐりをするのにぴったりの条件だ。


すでに勝沼ワイナリーめぐりを経験している友人が今回お勧めしてくれたワイナリーを中心に回ることにした。備忘録がてら、ここにそのお店をメモしておこうと思う。

★ルバイヤート(丸藤葡萄工業)
明治23年にできた家族経営のワイナリー。最近ショップをリニューアルしたようで、かなりお洒落なつくりになっていた。一押しは「甲州シュールリー」という銘柄だったかな。
神楽坂の毘沙門さんの裏手にも、ルバイヤートというお店があり、ここでもここのワインが楽しめるらしい。よいことを知った。

★ルミエール
明治18年に設立されたワイナリー。かなり立派なつくりのショップに、レストランも併設されている。「レザンファン」というシリーズの甲州とマスカット・ベーリーAを試してみて、甲州を購入。珍しいところでは、石造りの発酵槽で造ったという「石蔵和飲」というのがあった。

勝沼醸造
昭和12年設立。お洒落な内装のお店でとても素敵だと思ったが、試飲はせず。なぜなら、1,500円分のプリペイドカードを購入しなければならない、ということだったから。「次回来るときにまた使えます」ということだったが、次回来る予定がたたなかったし、かといって1,500円分の試飲がとてもじゃないができる気がしなかった。せっかく1杯あたりの試飲に対する料金を設定しているのだから、プリペイドカードを買わずとも試飲できるようにするか、スイカでも使えるようにしてくれればいいのに。
ちなみにこちらのワインのラベルはとてもデザイン性が高い。プレゼントにでもしたら喜ばれるだろうな。

★イケダワイナリー
1995年に醸造家の池田俊和氏が設立したという、勝沼では新しいワイナリー。試飲に500円かかるが、購入すると500円が返金されてくる。個人的には値段もお味もとても良心的で好感が持てた。ここのお店で、「甲州」のワインが醸造手法によっては個性が出てくるんだな、と実感。

★MGVsワイナリー
畑の間の道を歩いていると突然とってもお洒落な建物が見えてきた。今年4月23日にオープンしたばかりのこのマグヴィスワイナリーは、まるでアメリカあたりのお洒落すぎる近代的なファクトリーといった趣。半導体製造会社の社長が、自社の施設をリノベーションしてワイナリーをつくったとかで、アマダナの創業期に参加したデザイナーも参画しているといわれると、なるほど…と納得できるお洒落さだ。あまりのお洒落さに、気軽にテイスティングなどできずに店を後にしたが、ここは今後はやるだろうな。スペースが相当素敵なので、有料試飲だけでなくカフェなどを経営してほしいなぁと願う次第。

★グレイスワイン(中央葡萄酒)
大正12年創業のワイナリーは、ツタのからまる素敵な外観の建物だった。受賞暦多数、神の雫にも取り上げられた有名ワイナリーは、有料試飲も、はずれなし。甲州だけでなく、シャルドネメルロー、カベルネソーヴィニヨンなども栽培しているとか。

ここの甲州、鳥居平畑プライベートリザーブは美味しかった。

★原茂ワイン
昭和元年創業のこのワイナリーは、古民家を改造したこれまたお洒落な建物。いつも大人気で、11時以降の予約は入れられないという「カフェカーサ・ダ・ノーマ」がお目当てだった。ちょっと味は濃い目だったが、野菜もシャルキュトリも、付け合せのパンもとっても美味しかった。もちろんお店で販売されているワインも注文可能だ。もっとも、ここに来た時には、「試飲疲れ」してしまい、ワインは飲まなかったけれどもね。




ワイナリー間をめぐる際には、ぶどう畑の間を歩き回る。その植え方とかの違いを眺めるだけで面白かった。今回学んだのは、甲州ワインというのは、主に日本の代表かつ伝統品種である「甲州ブドウ」、そして、やはり日本生まれのワイン用ブドウ品種である「マスカット・ベーリーA」を発酵させたものが主である、ということ。そして、この2種は、両方ともおいしいワインにするには相当苦労しそうだ、ということだろうか。とくにマスカットベーリーAのワインは、香りは相当いいのだけれども、その香りがなかなか味には反映されないというか、お味は相当淡白な感じだった。日本のワイン産業を高いレベルに持っていくまでには、かなり苦労をしたのだろうなぁ。

電車+徒歩でのワイナリーめぐり旅の教訓。
◎あたり前だが、靴はスニーカーで歩きやすいものを。バスを待つくらいなら…と予想外にたくさん歩いた。
◎空のスーツケースを持っていくとよい。買ったワインが重いのなんのって…。もちろん宅急便で送付すればいいのだが、それだとその日のうちに持ち帰ることができない。
◎コンビニは1件も見かけなかった。必要なものは出発前にそろえたほうがよさそう。

また、天気のいい、でもそんなには暑くない時を狙って、ぜひ訪れてみたいものだ。次回は、石和温泉駅からワイナリーをめぐるのもいいかも。

スペインのジャズフェル、"Jazz San Javier"に出演したLudovic Beier & Costel Nitescuのライブ動画

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スペインで1998年から開催されているジャズフェステイバル”Jazz San Javier(ジャズ・サン・ハビエル)”の2016年版に、リュドヴィック・ベイエLudovic Beierとコステル・ニテスクCostel Nitescuのコンビが出ていたことを知った。コステルは2009年に、そしてリュドヴィックは、2011年にも自身のカルテットを率いて同じフェスに出演しているが、リュドヴィックとコステルが組んでの出演なら、マヌーシュ・ジャズの色が濃いだろうと想像していた。果たしてその結果…濃いとはいわないがマヌーシュ・ジャズの基本を抑えたレパートリーを従えての出演となっていた。

ちなみに、このフェスにはマヌーシュ・ジャズのミュージシャンが出るほうがまれだ。豪華で旬のジャズミュージシャンが多く出演しており、興味深い人ばかりだ。2016年だったら、Lars DanielssonのカルテットにGrégory Privatが共演していたり、Iganasi Terrazaのカルテット、Joshua RedmanやElis Marsalisカルテットも出ていたらしい。Jazz San Javierのチャンネルで、しばらくいろんなライブを楽しめそう。

BAAR BAAR DEKHO


2016年、インド、Nitya Mehra監督

JaiとDiyaは幼馴染であり、カップルだ。Jaiが数学者としてのキャリアを積もうと考えており、Diyaはアーティストとして成功を狙っている。ある日、JaiはDiyaからプロポーズされるが、その日からほどなくして、彼は数学者として成功するための新しいポジションを提示される。本当に結婚したいのか? 結婚すべきなのか。その迷いをDiyaにぶつけてから、次に目覚めると、すでにJaiはハネムーンに来ていた。その後も、Jaiは、本人の意思とは関係なく人生のさまざまな時間を行ったり来たりする。この時間旅行の中で、Jaiは本当に自分に必要なことを学ぶのだ。

観やすくておもしろい映画だったけれど、まぁ、だれでも自分に未来を経験できたら、今の人生で絶対失敗はしないよな…とちょっとシニカルなこともいいたくなる。結婚式のシーンがあるので、音楽は華やかで楽しい。

Nachde Ne Saare

実はこの曲のほうが映画のリリース前に発売されていたそうだ。
Kala Chashma

これを聴いていたら、連鎖的にこちらの曲が聴きたくなった。Panjabi MCの"Mundian To Bach Ke"。懐かしいな。

Jaiを演じている、スィッダールト・マロートラーSidharth Malhotraの顔をみてすぐにわかった。この人、”Kapoor & Sons”で親に愛されたいと願うダメ弟、Arjunを演じていた人だ、と。これから人気が出るだろうか。

香港映画のポスター展@国立台湾戯曲学院

何気なく香港映画のポスター展示をみていた。どうせ知っているものはないだろう…とタカをくくっていたが、見覚えのある絵をひとつ発見した。



…これは何だっけ。タイトルに覚えはないが、王家衛の作品だよな。カレン・モク出ていて…「恋する惑星」じゃん!
原題はは「重慶森林」だったんだなぁ。




そしてこれ。ポスターに何も解説がない。この傘がたくさん出てくるシーン知っているぞ。この映画絶対見たことあったんだよな…。MILKYWAYプロダクションのロゴが入っているから、まさかのジョニー・トー作品だろうか。

帰宅して調べてみたら、やっぱり! みたことありました。邦題は「ターンレフト、ターンライト」。そのままですな。

向左走向右走(Turn Left, Turn Right)
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ベルギーのジャンゴ祭り。第15回Festival Django@Liberciesのラインナップ

ジャンゴ・ラインハルトの生まれた場所である、ブリュッセルから電車で15分ほどの距離にある町、ベルギーのリベルシーLiberchiesでは、今年も第15回目のフェスティバル、"Django @Liberchies"が開催される。今年の開催日は5月13~14日とのこと。
今年の出演者は、ビレリ・ラグレーンBireli Lagreneに、シュミット親子(Amati & Dorado Schmitt)、そして、ホノ・ウィンテルステインHono Wintersteinとフランク・ウルフFrank Wolfも名前があるから、ビレリとともにGypsy Projectの陣営かな。グエン・カユGwen CahueのクインテットSelmer #607も出る…ということは、アドリアン・モワニャールAdorien MOignardにノエ・ラインハルトNoe Reinhardt、ロッキー・グルセットRocky Gressetも出演ということか。

こんな豪華なメンバーがみられて、1デイパスは22ユーロ、12歳以下の子供は無料とのこと。あーあ、ヨーロッパに暮らしていたら週末ぶらりとこのフェスに行っちゃうんだけれどもなぁ…。

こちらは過去の同フェスの様子です。
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ジャンゴの音楽に惚れた米国のギタリストが開催するマヌーシュ・ジャズの祭典 "Charm City Django Jazz Festival"

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つい最近米国メリーランド州ボルティモアで始まったジャズフェスがある。ジャンゴ・ラインハルトらしき人物を中心に据えたポスターをみれば、このフェスがマヌーシュ・ジャズを中心にしていることがわかる。
このフェスを企画したのが、マイケル・ジョセフ・ハリスMichael Joseph Harrisだ。地元で、ギタリストのサミ・アーフィンSami Arefinとともに、"Hot Club of Baltimore"や"Ultrafaux"というバンドを結成、それぞれのグループで他のメンバーを招き、ボルティモアおよびワシントンDCを中心に活躍しているそうだ。
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ジャンゴ・ラインハルトの音楽に魅せられた人はたくさんいるけれど、自国でその音楽を普及させるためのイベントまで開催している人はそう多くはあるまい。このフェスの毎年の活動状況はうまく追えなかったのだが、第一回目はステファン・レンベルStephane Wrembelが招かれたようだ。今年行われたらしい第二回目は地元ミュージシャン中心にライブが行われ、マヌーシュ・ジャズファンを多く増やしたであろう映画"Swing"の上映会も行われたとか。すでに2018年の開催も決定しており、なんと、アントワーヌ・ボワイエールAntoine Boyerの出演がすでに決定している。

主催者、マイケル・ジョセフ・ハリスのバンド、Ultrafauxの演奏はこんな感じだ。彼らの演奏をみていると、わざわざヨーロッパからアーティスト呼ばなくてもイベントが成り立ちそうな気はするが、ミュージシャンや地元のマヌーシュ・ジャズ好きたちは、この音楽の聖地であるヨーロッパからのフェス参加者に盛り上がるんだろうな。


Charm City Django Jazz Festival
http://culturefly.org/calendar/event/8065/1st-annual-charm-city-django-jazz-fest#.WOxde_6xLcc