マヌーシュ・ジャズ・グループLes Fils Canoucheがテレビ番組で生演奏を披露

2005年にフランスで結成されたマヌーシュ・ジャズ・カルテットのLes Fils Canouche(レ・フィス・カヌーシュ)。こちらのブログでは、たまたまニュースか何かで見つけて、演奏というよりはメンバーの発言に興味を持ち、活動を続けてほしいなと願っていた。
asquita.hatenablog.jp

あれから7年近くが経過するなか、今年に入ってこんな映像を見つけた。マヌーシュ・ジャズに新風をふかせるフランスのアーティストとして、TV5 MondeでLes Fils Canoucheが"Croma Quedam"を演奏しているではないか。その曲が収録されているニューアルバム、"La fasciculation"も紹介されている。

マチュー・クルンMatthieu Quelenとシャヴィエル・マルゴーニュXavier Margogneは、ブルターニュ地域圏に隣接するフランス北西部、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏のラヴァルLavals出身。この二人が中心となって結成した4人組バンドは、2007年以降すでに3枚のアルバムをリリースしており、2017年の作品で4枚目となる。結成してからメンバーは何度か入れ替わっており、現在のメンバーは、ギターのシャヴィエルの他、クラリネットのサミュエル・テゼSamuel Thézé、アコーディオンのマキシム・ペランMaxime Perrin、そしてコントラバスのステファン・コジック Stéphane Cozicの4名となっている。マチューはグループを脱退してしまったのだろうか。でも、このグループがジャンゴ・ラインハルトの音楽を自分たちなりに解釈し追及していこうとする姿勢は素晴らしい。
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「レッド・ファミリー」の「アリラン」が心にしみる。

2014年、韓国、イ・ジュヒョン監督、붉은가족(赤い家族)

制作と脚本、編集があの、今色々な意味で話題のキム・ギドクだということでも話題になった映画とのこと、相当おどろおどろしいのを想定していたのだが、ストーリーはもちろんのこと、コメディとしても楽しむことができた。

常に喧嘩ばかりしている仲の悪い夫婦がいる一家の隣に引っ越してきた、理想の家族がいた。長老者を敬い、お互いを思いやる家族だ。でもこの一家は、実は北朝鮮からやってきた工作員ツツジ班だった。ひとたび"家族"だけになると、とたんに工作員同士の生々しく厳しい会話となる。どうやら母親役の女性が班を取りしきっており、班のメンバーの不備を怒鳴りつけている。脱北者の暗殺等もツツジ班の仕事のようだ。この班のメンバーたちも北朝鮮には人質同然の家族がいて、スパイ活動の失敗は、彼らの命のみならず、彼らが愛する本当に家族たちの命にもかかわってくるのだから、みんな必死だ。

そんな家族が隣の一家と交流をしていくにつれ、ケンカを重ねるが本当の意味で感情をぶつけあっている隣家がうらやましくなっていく。そんなときにある事件がきっかけとなり、ツツジ班の一家はある「ミッション」を遂行しなければならなくなるのだった。

ツツジ班の面々がスパイであることをひた隠しに(当たり前か)しているのに、隣の一家を救うためにうっかりそのスキルを出してしまったり、隣の家族との食事中、ニュースをきっかけに北朝鮮に関する議論をするハメになってしまったり…と、クスっと笑えるところも多いけれども、最後にツツジ班のメンバーが繰り広げる「一芝居」には感動した。

あと、北朝鮮の一家も韓国の一家も一緒になって歌う「アリラン」はよかったな。こちらのサイトによれば、アリランは「韓半島に数多く残る民謡の中でももっとも愛された歌」であり、「将来、南北統一国家ができれば”アリラン”が国歌になる」とまで書かれている。今はいがみ合っている両国に共通のよりどころがあるって素晴らしい。
「アリラン」知って伝統文化に関心を | 在日社会 | ニュース | 東洋経済日報

私はあまりアリランを知らないし思い入れがあるわけでもないが、ジャズ・ピアニストのGiovanni Mirabassiが韓国のライブで演奏したアリランが大好きだ。ミラバッシの演奏テイストと旋律もぴったり合っている。というわけで、久々にこの曲を聴いてしまった。

ソンポーン@浅草。予約がとっても取りにくいタイ料理屋さん。


以前はカウンター5席のみで、非常に予約が取りたかったというタイ料理屋さん、ソンポーンという。浅草駅から徒歩10分ほどという、そこまで便利ではないのに混雑する様子からも、いかに人気かがよくわかる。

居酒屋の居ぬきみたいな雰囲気。店内は30人くらいキャパがありそうで、奥には座敷もあった。

料理の数々…。事前予約でないと食べられない「クンチェーナンプラー」という料理を食べた。お皿の周辺にゴーヤがあしらわれている。生のエビがマナオか何かの柑橘が効いたスパイシーなソースであえてある。見た目も美しいし、食べたことのない美味しさだ。

サツマアゲ。

「ヤムタクライ」という、レモングラスのサラダも美味しかったなぁ。レモングラスってトムヤムクンに入っている香りづけのかたいものだと思っていたが、これは野菜の一部として食べることができる。

鶏肉のグリーンカレーはおそうめんと一緒に食べる。新鮮! 「ゲンギョワーンガイ」というらしい。

「ネームクルック」という、揚げたおにぎりと自家製ソーセージが入ったサラダ。これを別に出てくるサニーレタスに包んで食べる。たんに炭水化物が多いだけのサラダかと思っていたが、これが本当に本当に美味しくて、しかも初めて食べた味なのだ。

蟹と卵のプーパッポンカリー。餅米のカオニャオをいただいた。

写真はないが、鍋料理「チムチュム」もオーダーした。具材を生卵にからめるところが、ちょっとラオスの鍋を彷彿とさせる。たれが美味しかった。これはみんながハマる気持ちがわかる。また来なければ!

フランスのDaft Punkのドキュメンタリー "Unchained"で、魅力を再発見。

2015年、 BBC Worldwide France production、Hervé Martin Delpierre監督

トマ・バンガルテルThomas Bangalterとギ-マニュエル ドゥ オメン-クリストGuy-Manuel de Homem-Christoの二人が結成した フランスのエレクトロポップデュオ(と呼ぶのがふさわしいのかわからないけれども)ダフト・パンクDaft Punkの軌跡を追ったドキュメンタリー。その時々でダフト・パンクにかかわってきた元プロデューサーをはじめ、ナイル・ロジャースNile Rodgers、ファレル・ウィリアムス Pharrell Williamsカニエ・ウエスKanye West、ミッシェル・ゴンドリーMichel Gondryといった大物がダフトパンクとのかかわりを語る。

これをみると、彼らがデビュー当時から才能があったうえに、いかに自分たちのイメージや将来像を考えてキャリアを形成していったかがよくわかる。音楽が好きで名声は不要だから、そして、自分たちが40歳まで大好きな音楽を続けるためにはどうすればいいかを考えた結果、ロボットとなって顔を隠す。話すのをやめる。セルフプロデュースに長けているアーティストだったんだなぁ。松本零士キャプテン・ハーロックが好きだったからMVを松本に依頼し、そのまま1本の映画にしてしまおうというアイデアはすごいと思った。
私がダフト・パンクを知ったのは"One More Time"のまさに松本零士が手掛けたPVだったのだが、この頃から彼らはアメリカで知名度を上げたようだ。

このドキュメンタリーに出演した人々は口々にダフト・パンクを賞賛し、その人となりを語っていたのに、松本零士だけは、自分が描くロボットの世界観を語っていた。まったく媚びることなく自分の世界を貫く松本零士、さすがだ。

2014年に彼らがグラミーを5部門制覇した際に行ったライブが豪華だったことをこのドキュメンタリーで知った。そもそもステージにのっている人々が、ナイル・ロジャーススティービー・ワンダーファレル・ウィリアムスだ…。これ、すぐに消えちゃうと思うけれども…。

そもそも"Get Lucky"ってもはやエレクトロだとかそういうジャンルを超えてカッコよかったよなぁ。ダフト・パンクの二人が尊敬している人を招いた作られているというアルバムがある。この曲も収録されている"Random Access Memories"というアルバムなのだが、これを聴いてみようかな。

ドキュメンタリーをみたら、Daft Punkの曲をもっと聴いてみたくなってしまった。

絶対の愛


2006年、韓国、キム・ギドク監督、TIME

ジウはセヒのことを愛しているが、セヒはジウが自分に飽きて別の女のところにいってしまうのではないかと心配で仕方がない。その不安から、ジウがちょっとでも女と会話したりしていると、それだけで目くじらを立ててしまう。そしてある日とうとう、整形を決意してジウの前から姿を消す。
ジウはセヒのことが忘れられず、次の恋愛にもなかなか踏み切れないままだ。ある日、彼はスェヒという女に出会い、次第に心を惹かれていくのだが…。

キム・ギドク作品にしてはわかりやすく見やすかったが、とんでもなく恐ろしい話だと思った。セヒはすでにかわいいのだが、ジウが惹かれる女性がどれももっとかわいいというか顔立ちが整っていて、それだけで整形がすべてを解決するように感じてしまうのだ。それだけセヒ役のソン・ヒョナの顔がこの役柄にぴったりの顔だったんだなぁ。

映画の予告編がイタリア語のものしか見当たらなかったのだが、そもそもヨーロッパや米国の人は、アジア系の人々の二重まぶたや高い鼻に対する強烈なあこがれを理解できるかなぁ…。

Red light,Blue light,Yellow light by 馬の骨

バーっていうのはたいていJazzとかボサノヴァがBGMとして採用されていることが多いと思っていたが、そのお店のBGMは珍しくJ-POPだった。もとい、店主は山下達郎Tシャツを着用していたし、いつもそんな感じの音楽なんだろう。
ふと流れてきたのは「エイリアンズ」。「秦基博!」と思わず言ったら、「いやいや、これはキリンジの名曲ですよ」と店主に諭される。

その発言のあとにこんなことを言っても信じてもらえんだろうが、私、昔のKIRINJI好きなんですよ!って言いながら、思い浮かんだ名曲を投げかけてみる。「イカロスとか牡牛座とか!」といったら、店主はイチ押しの曲として紹介してくれた。
堀込泰行キリンジ弟が「馬の骨」として活動していた時代の曲だ。もう13年も前にリリースした曲なのか!

馬の骨は、「燃え殻」という曲を聴いたときにそこまでピンとこなかったのだけれども、実は両A面でこんないい曲もくっついていたとは知らなかった。バーで好きな曲に出会ったり、好きだった曲に出会って思い出したりするのは大好きだ。

鵜戸神宮、宮崎神宮、青島神社…。宮崎の神社色々。


今回、色々な神社を訪れる機会があった。
まずは宮崎神宮。旧官幣大社だったそうで、とても威厳のある神社だった。日本の初代天皇神武天皇」が祭神とかで、皇室や旧華族の方による植樹が多く行われている。隣にある宮崎県総合博物館や古い家屋をそのまま移築したたてもの資料館も見ごたえあって、半日は楽しむことができるのではないか。流鏑馬も会場が設営されていてびっくりした。敷地広すぎる!


鵜戸神宮。観光用路線バスで国道220号線を海岸線沿いに飫肥の方面に2時間ばかり向かうと鵜戸神宮だ。車が入れる場所から参拝の場所までかなりの距離があるので、足腰が丈夫なうちに行くべし。青い海と赤い鳥居のコントラストが美しくて感激してしまう。しかも本殿は洞窟の中というのだから、さらに驚いてしまった。

うさぎじるしの御朱印帳がかわいい。


ここで有名なのが、運玉。男性は左手、女性は右手で「運玉」と言われる陶器の丸い石を、亀の背中にみたてた海の中の岩の上に投げ入れる。入るか当たると願い事が叶うということだ。お金を支払うと5つの運玉を入手できるのだが、投げたら1コ目がいきなり亀の背中に入ってしまったので、お願い事をする暇もなかった。お隣にいらした方が拍手してくださったのはうれしかったけれども。その後欲が出たのか、1つも運玉投げは成功しなかった。まあ、そんなものか。周りの人たちがみんな健康で日常を継続できて無事だったらそれでいい。


次に青島。青島に至るまでの道は、いわゆる「鬼の洗濯板」と言われる、砂が波の形のまま固まったような、不思議な地形に囲まれており、それだけで風景が不思議な感じになっている。ここはアクセスがいいから観光客も多かったが、御朱印帳受付の方がジャージ姿でてきてびっくり。そして、(とくに頼んでもいない)お稲荷さんの御朱印も自動的にお願いすることになってしまう仕組みと、鳥居の内側にはみ出すくらいの勢いでお守りを売る台が出ている商売っ気の強さにまたびっくり・・・というか残念。


それでも、青島といえばこの神社であり、びろう、と呼ばれる木が生い茂る不思議な雰囲気の神社なので、行く価値はあると思う。

とくに有名ではないが「野島神社」というところにも立ち寄った。ここは、浦島太郎そっくりの伝承民話がある、1446年創立のこじんまりした神社。普段は人も常駐していない雰囲気だが、ここにも500年の歴史を誇るお神楽があるという。

宮崎旅行は、もっとゆっくりと予定を組んで出掛けるべき場所だと思う。また行きたいなぁ。