"The Presidio’s Role in World War II Japanese American Incarceration"@Presidio, San Francisco

サンフランシスコの北西部、ゴールデンゲートブリッジのほど近い場所に、かつて軍用地だったプレシディオPresidioという場所がある。昨年2017年の9月に、敷地内のPresidio Officers’ Clubにて行われた"The Presidio’s Role in World War II Japanese American Incarceration"という展覧会に足を運んだことを思い出した。いや、ちょっと整理してブログにまとめることを怠ってしまったのだ。
www.presidio.gov

1941年の真珠湾攻撃を受け、1942年に、ルーズベルト大統領が、「大統領令9066号 - US Executive Order 9066」に署名。その署名の結果、12万人の日系アメリカ人を強制収容することになったという。その決定が下されたのが、米陸軍西部防衛軍の本部があったプレシディオだった。実際にその大統領令へのサインが実行された机なども展示してあった。当時、プレシディオには、軍事諜報機関(MIS - Military Intelligence Service)管轄の語学学校も開設されており、ここで多くの日系二世兵士が日英通訳として戦地に赴いたというが、その一方で強制収容の決断も下されたのだから、皮肉なものだ。

ここに展示されていたもののなかで印象的だったのが、たとえばこんな作品。
Pledge Allegiance (Judy Shimatani)
ツールレイク強制収容所で拾った木材で作った、アメリカ国旗。

宮武東洋やBill Manboという人の、強制収容所の中の様子を記録した写真も展示してあった。強制収容所の生活は過酷だっただろうが、写真は暮らしを捉えたのどかな写真が多かった。

各収容所にいた人たちのリスト。すごい迫力。

最近は、当時のことを紹介したウェブサイト等も多く準備されている。
Densho - Sites of Shame

過ちを繰り返さないためにも、負の出来事から学ぶこともまた大切だと思う。

ディック・リーの自伝映画が出ていた!!"WONDER BOY".

シンガポールのシンガソングライター、ディック・リーDick Leeが昔から大好きで、今も懐かしく思い出したりするぐらいなのだが…。
シンガポールの巨匠ディック・リーDick Leeを懐かしむ - 空間Annex

先日、飛行機にのったら、偶然にもディック・リーの自伝映画を見つけてしまった。「WONDER BOY」。シンガポールを代表するシンガソングライターで、私にとってははじめてシンガポールという国を認識させてくれた人物でもある。そんな人の自伝映画だったら観ない選択肢はない!

2017年、シンガポール、ダニエル・ヤム&ディック・リー監督

時は60年代後半のシンガポールエルトン・ジョンにひそかに憧れ、髪の毛をマッシュルームカットのようにしてメガネをかけ学校に通おうとする若きのディック青年だが、当時のシンガポールはロック禁止、長髪禁止のムードにあふれていた。そんななか、元々音楽が大好きだったディックは、音楽に目覚めて、友人とバンド「WONDER BOY」を結成する。ただし、そのバンドは洋楽のコピーバンド。作曲が得意だったディックは、物足りなさを感じ、独り立ちするのであった…。

ディックの実家は大変裕福だが(ピアノだって裕福だからこそ弾けるのだと思われる)、音楽に対する理解は全くないので、当然家族ともうまくいかない。ま、そんなのは、ラ・ラ・ランドLa La Landの主人公、セブも同じか。音楽家を目指すということはそういうことなのかもしれない。ディック自身も、才能を素直にほめてくれる人もおらず、夜遊びをしまくったりして、なんだか生きにくそうな時代を過ごしたんだなと思う。家族の一員を失うところあたりは「うまくできすぎ!」と思ってしまったが、これも実話だというから驚く。

映画は、多少年代のずれはあるものの、ほぼ実話に基づいているという。もし、この中で使われているディックの楽曲も、過去の作品なのだとしたら…みんな、彼の才能に早く気が付けよ!と思ってしまった。彼の才能を見つけて、デビューアルバムのプロデュースに協力した人たちは本当にすごいなぁ。映画の中の曲はかなりメロディラインが美しくて、私はさっそくサントラも入手した。"Fried Rice Paradise"は見事だが、彼がシンガポール文化を全面的に押し出す前の曲"All My Nightmares"とか、"Maybe Friend"とか、どれもいい。その旋律と優しい声をきくだけで、なんだか泣けてしまうのだ。

日本でも上映されていたということを知った。お客さんはどんな反応をしたのだろうか。
ディック・リー――皮肉と運命とフォークソング:音楽を通じて生み出されるアイデンティティと帰属意識 | 特集記事 | 国際交流基金アジアセンター

ジーマミ豆腐

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2018年、 Jason Chan & Christian Lee監督、シンガポール&日本、Jimami Tofu


飛行機でたまたま見つけた映画。有名で私がカッコイイと思っているダンサー、仲宗根梨乃が出ているときけば、観ざるを得なかった。

舞台は沖縄。シンガポール人の料理人のライアンは、食べ物の評論家、ユキとのつらい別れを忘れられないまま、沖縄料理の食堂に弟子入りする。そこで、色々な人との出会いに触れながら、自分の道を見つけて、立ち直っていく…というような話。「有名な料理評論家がわざわざ何度も評価しに来る食堂」「まったく料理センスのないトップレベルの料理評論家」というようなところには設定に不自然さを感じるようなところもあったが、ゆったりした沖縄の時間と、主役の苦しみ、さらにはユキの親友、ナミの気持ちがよく描かれていたような気がした。仲宗根梨乃さん、表現者だけあってよい演技していたなぁ。
美しい風景と沖縄の言葉ですべてがまるく収まっている、そんな感じの映画だった。

森のブッチャーズ@神保町

前々から気になっていた、こちらのお店に行った。

頼んだものがどれもこれもおいしくて、しかも店内の活気たるやすごい。友ときゃーきゃーいいながら食べて、あっという間に満腹になった。炭水化物まで行きつけず…ここはまた行かなければ! いや、必ずや行くのだ。

ドリーム

2016年、 セオドア・メルフィ監督、米、Hidden Figures

舞台は宇宙開発運動のさなか、1961年のこと。NASAはロケット打ち上げの研究開発に熱心だ。まだバージニア州を含む米国の一部で黒人分離政策が行われているなか、子供の頃から優秀だったキャサリンは、他の優秀な黒人女性とともに「計算手」として、NASAに勤務していた。これは、ロケット打ち上げの軌道計算等に欠かせない仕事だ。
キャサリンはその計算の手腕を見込まれて、スペースタスクグループにて特別な仕事を命じられた。しかし、白人男性しかいない職場で、さまざまな嫌がらせを受ける…。計算チームのスーパーバイザー代理のドロシーは昇進を阻まれて、メアリーは、エンジニアになりたいのに黒人であるが故にエンジニア応募要件である学校の入学が認められない。さまざまな障壁のなか、それぞれの女性たちは困難に立ち向かっていくのだ。
差別の困難が暗くは描かれておらず、しかもハッピーエンド。勇気をもらえるいい映画だった。
実在の宇宙飛行士ジョン・グレンが描かれているが、この差別が横行するなかキャサリンの能力を認めたり、差別されている黒人にも挨拶をきちんとしにいくあたり、当時から宇宙飛行士に抜擢される人は人格も素晴らしいんだな、と妙に感心したのだった。

Myanmar 8 days - インレー湖観光、その2。五日市@Nam Pan

シャン州は、五日市Five Days Marketといって、少数民族がものを売り買いするための市場が、5日ごとのおもしろい規則性に基づいて立つという。ホテルの人にきいたところ、私が滞在していた時にNam Panという村に市場が立っているというので、出かけてみた。

港の近くは、観光客をターゲットにした土産物屋が立ち並んでおり、その押しの強さにちょっと辟易する。でも、奥に行くと色々なものが売られており、かなり興味深かった。

☆揚げたスナック菓子

☆野菜いろいろ

☆メンマ量り売り

☆お茶量り売り。(ここのお茶は、碁石茶とか阿波番茶系の、酸味があるお茶だった)

☆クーン(キンマ、檳榔)
本当にたくさんのクーン屋があってびっくりした。バラ売りしているお店もあれば、実際に新鮮な葉巻?を作ってくれるお店も。


☆タナカ
日焼け止めや美容に使われている、ミャンマー特有の木

☆魚

何か、ナンのようなものを焼いてくれる屋台がいくつかあったので、友人が試していた。平たくのばして、大量の砂糖をかけて袋に入れてくれるのだが、これは何だろう。意外においしかった。

不思議どころとしては、宗教っぽい、謎の置物セット。夫婦と赤ん坊と、何か動物が3匹入っていて、これが象の入れ物に入っている。これはどの宗教創始者の生まれた姿を描いた置物なんだろう。それとも単なるオーナメント?素朴でかわいい。

Myanmar 8 days - インレー湖観光、その1。首長族、銀細工、水上庭園にお寺まで。

到着した日、湖上のホテルに行くだけではちょっと退屈に感じたので、半日観光をしてみた。

☆Mya Hin Tha Special Fish Silver Smith
銀細工工房。シグネチャーのアクセサリーは、魚が泳ぐような動きをする雰囲気のペンダントトップだった。工房で働く人々が、みんなサッカーが大好きなことがうかがえる。

☆Ywama「首長族」の民芸品屋
首長族に布を織らせて、その様子を見せつつ土産物を売る店。

ちょうど英語圏の男性が首長族女性と写真を撮影しており、勧められて一緒に写真は撮影した。でも、でも…なんかやりにくい。その理由の一つが、この首長族の女性たちがおとなしく無表情だったからだ。言葉の問題だけじゃなかろう。きっと、まあまあ愛想売っているのに商品が売れないもどかしさとか、そもそも見世物になっている状況の悲哀とかあるのだろうか。なんだこの奇妙な罪悪感は。

ガイドブックには、「インレー湖はパダウン族がいる」と書かれており、このパダウン族が首長族だと思っていたのだが、この民芸品やさんのご主人は私にあ「ガイヤン族だ」と説明してきた。ところが、検索しても「ガイヤン」という単語はほぼ、「タイの焼き鳥」を示す言葉として出てくる。さんざん検索して、やっとわかった。あのご主人、きっと"Kayan"といったのだ。そして、シャン族は彼らを「パダウン (Padawn)」と呼ぶから、日本のガイドブックもそうなっているが、首長族は自らのことを「人・民」という意味をあらわす「カヤン」と呼ぶとのこと。なるほど、「ジプシーかロマか」を彷彿させる。きっとカヤンと呼ぶ方が正しいのだろう。

なお、同じ場所にあった、ミャンマーの骨とう品を置いてあるお店は面白かった。


☆ガーペー寺院
色々な様式の仏像が並んでいる寺院だというが、どのスタイルが何なのか、よくわからず。このお寺はJumping Cat Monasteryと呼ばれているのだが、猫はとくにジャンプはしていなかったな…。ここの参道のお土産屋さんがなかなかの押しの強さで、思わずスカートを買ってしまった。

☆Floating Garden
トマトやらナスやらを作っている畑を通り抜けた。作業している人たちが器用だな、と思いつつ。


ファウンドーウーパヤーPhaung Daw Oo Pagoda
有名な寺院。訪れた時がちょうど、ファウンドーウーパヤーPhaung Daw U Payaのお祭りの真っ最中で、このお寺の有名な5体の仏像は、カラウェイの舟に乗せられていたと思われる。ひとつ、雪だるまみたいな仏像があるが、これはなんで舟にのっていないのかよくわからない。

お経を読んでいる人をみることができた。色々なお寺からよくお経の声が流れてくるが、生の声だった、ということに感激した。




ボートレースはみられなかったけれども、それらしきボートに乗っている大勢の人たちを眺めることはできた。


また、ファンドーウー・パヤー祭りのカラウェイの舟をみられたのは、なんだかラッキー…だよね。きっと。