teamLab★Planets TOKYO@新豊洲はこんな準備が必要。チームラボってこういうことだったのね!

ここ数年話題となっている、チームラボ。デジタルを使ってユニークなアートを作り上げるアーティスト集団、などと設営されているが、実際にその作品を見るまでは想像がつかなかった。

先日、話題のチームラボ★プラネッツに行ってきた。敢えて情報を持たないまま入ったので、たくさんサプライズがあってとっても楽しむことができた。これから行く人へのアドバイスとしては…。

●膝くらいまでロールアップできるパンツ等の服装をお勧めします。私はスキニージーンズをはいていったため、ロールアップができず、やむを得ず現場で膝丈のジャージをお借りすることに。
スカートで行き、アンダーパンツとして会場で準備されているジャージを着用するのでもいいかも。

●あらかじめ予約した時間に行ってもどのみち並ぶ。ただし、中に入ってしまったらあまり待たされる場所はない。

●会場の入り口に素敵なレストランもあれば、フィンガーフードの屋台も出ている。「新豊洲なんて何もない」と侮るなかれ、会場内のレストランを愉しむのも手だ。

スマホにアプリをダウンロードしておけば、アートとのインタラクションが楽しめる。

●最後の仕掛け、Floating in the Falling Universe of Flowersは、なぜかリラックス効果が高くてなかなか抜け出すことはできない。1時間以上見続けても全く飽きない仕掛けになっていた。

というわけで、たっぷり時間をみて出かけることがお勧めだ。

キャッチーなサビに惚れた! UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」

あああ、こんな時の過ごし方は時間の無駄だ…と思いながら、たまにTikTokをみている。大部分の投稿動画は、プロの音源にあてぶりしたようなものなのだが、元々ダンス動画を見るのが好き(自分はできないくせにね)なこともあり、ついつい見続けてしまう。

ダンス動画はTikTokオリジナル曲に合わせたものか、K-POP(最近だとTwice)のコピーが多いのだけれども、たまたまこの曲がとても耳に残って調べてしまった。バンド名は今年15周年を迎えるというUNISON SQUARE GARDEN。サンフランシスコによく行く人なら、「なぜ、ユニオン・スクエア・ガーデンと1文字違いのバンド名なの?」と思うだろうなぁ。サンフランシスコとこのバンドの関係に関する謎は、オフィシャルサイトには記されていなかった。

鈴木貴雄(Ds) 、斎藤宏介(Vo.&Gt)、田淵智也(Bass)の3ピースバンド。TikTok内では「シュガーソングとビターステップ」のさび部分に合わせて踊っている子たちの動画をいくつか見かけたのだが、踊りはさておき、曲はキャッチーですごく素敵だと思った。ボーカルの人の声が高いせいだろうか。

今のところこの曲が気に入りすぎて、他の曲もまんべんなく聴く気分にはなっていない。トイズファクトリーに所属のバンドだけれども、ミスチルの曲ほど歌詞が心に入ってこないのは、世代が違うせいだろうか。でも、メロディ至上主義の私としては、歌詞なんぞどうでもいい。3ピースバンドならではの曲をたくさん生み出していってほしい。

ジャズの聖地、一関「ベイシー」にて、幸せジャズ喫茶体験。


前々からここに来てみたかったのだ。

ジャズ喫茶というのはおしなべてどこもスピーカーにこだわっている。この「ベイシー」はその中でもとくに音がいいと評判だときいたから。さらに、店主である菅原正二氏は何冊か本も出したり新聞にコラムの寄稿もしている文筆家でもあり、タモリの大学時代の先輩でもあるとか。雑誌SWITCHの特集「ジャズタモリ」では、タモリがこの「ベイシー」を訪れて二人で延々と話し込んだりしたらしい。往年のジャズミュージシャンも愛して訪問したというこの音を一度聴きたいという思いで訪問を決めた。


開店が午後一時とのことだったので、朝9時頃東京エリアを出発し、お昼前に一ノ関駅に到着。ランチで腹ごしらえをしてから、13時過ぎにお店へ向かった。すでに何人かお客様がおり、私たちは壁に埋まったJBLスピーカーの真ん前の席に通された。ガンガンに流れるBud PowellのParis Sessions、Miles DavisのSketches of Spain。店主らしき方はお店の奥の書斎のようなところに座ってて、3曲くらいごとにレコードをこまめに変える。ジャズのDJみたいな感じだ。私が意識してジャズを聴き始めた時から大好きなBill Evans Trioの"Waltz for Debby"がかかった時には、 息遣いも聴こえてきそうなサウンドを正面から浴びて、涙が出そうになった。座っている椅子にはミュージシャンの名前が刻まれ、目の前のドラムにはあのJimmy Cobbのサインが大胆にかかれている。もしかしたらここでJimmy Cobbが、Elvin Jonesが、そしてCount Basieが、同じ空気を吸ったの違いないのだ。グランドピアノの上には一輪のバラの花、薄暗い照明、壁にはレコードがきっちり詰まって…その雰囲気がまた素敵だ。

この場にいられただけでも幸せだったのだが、ひょんなきっかけで菅原氏や地元の常連のお客様等とも会話を交わす機会をいただいて、さらに幸せな気持ちになった。マスターが選んでかけてくださった曲を私が喜んでいるのをみて、店員さんも喜んでくれる。「マスターって勘が鋭くて、お客さんが聴きたい曲とか好きな曲を選び出すのが得意なんですよー」って。マスターは、クラシックな原稿用紙とモンブランの万年筆を片手に、「原稿が進まないよ」と嘆きながら常連客との会話を楽しんでいる。何よりもマスター自身がこのお店の空間を楽しんでいる。だから、このお店は素敵を保っているに違いない。

おしゃべりを一切せずに集中した音楽に向き合うジャズ喫茶も好きだけれども、他愛のない音楽や文学の話をしながら音楽を聴くのもまた好きだ。久々にジャズ喫茶に魅力に触れることができて、うれしくなってしまった。語りつくせないくらいくらい素敵な思い出がたくさんできた。エピソードは心の中に大事にとっておきながら、次の訪問を狙おうと思う。次回は、マスターに伺ったベイシーを堪能するためのTIPSをきちんと守って…ね。

ジャズ喫茶ベイシー - LIVE AT BASIE PROJECT

早熟のアイオワ


2009年(日本公開2014年)、ロリ・ペティ監督、米国、The Poker House

舞台は、70年代のアイオワ州。アグネスの家は、"The Poker House"と呼ばれる、賭博や売春を行う場所になっている。怪しい人々が出入りするその家で、アグネスと二人の妹は自らも売春婦として生計を立てている母親と暮らしている。真ん中の妹ビーは新聞配達で家計を支え、一番下の妹キャミーは外でヒマをつぶす。アグネスはバスケの選手として活躍するだけでなく、地元の新聞でも詩が掲載されるなど活躍をしているが、母親からは自分も売春婦としてはやく稼ぐよう促される始末だ。彼女は売春の元締めの男デュバルに淡い恋心を抱いている。そんなアグネスにある日、事件が起こるのだった…。

そもそもこの、決して明るくない話が監督・脚本を担当したロリ・ペティの実話であることが衝撃だ。神父の父親の暴力もひどいし、母親の堕落ぶりもひどい。子供が育ってはいけない環境と化している。ロリ本人がモデルとなっているアグネスなんて、勉強ができるのにお酒かクスリに飲まれた母親に邪魔をされているし、二人の妹たちもこんな環境でよくこんなに素直に育ったね、と感心するレベルだ。

アグネスを演じるのはジェニファー・ローレンス。「ウィンターズ・ボーン」の名演技でおなじみですね。
asquita.hatenablog.jp

この映画は、ジェニファーがブレイク前の演技とのことだが、末恐ろしい女優魂をみせている。そんななか、たまにかかる音楽と子役の妹たちの愛らしさが、悲惨な状況を多少は和らげてくれる。エンディング、3姉妹がMarvin Gayeの歌声に合わせて "Ain't No Mountain High Enough" を歌うところでちょっと救われる気持ちになった。もっとも、このシーンでの彼らは"If you need me, call me No matter where you are No matter how far..."って歌っているのに、実際は当座助けてくれる人が見当たらないのだがね。そんな矛盾も相俟って歌詞が心にしみる。

まさにCarpool Karaoke!!

祭畤(まつるべ)温泉かみくら@岩手一関

祭畤(まつるべ)温泉というところに行ってきた。とにかく雪、雪、雪! 新幹線の一ノ関駅を降りた時は雪なんて微塵も感じなかったのに、45分山のほうへ向かうと同じ町で豪雪とは。
2008年6月に起こった、岩手宮城内陸地震で崩落した祭畤(まつるべ)大橋の遺構をみながら進むとその宿はあった。

私たちが泊まったのは、たぶん新館。外はなにせ雪がすごくて、館内はちょっと寒く感じる。でも、そんなのは温泉に入ればすべて解決だ。お料理は、夜も朝もごはんの一粒に至るまでおいしくて印象に残った。蔵書は少ないながらもセンスがあり、読書しながらごろごろするのもいいかもしれない。
それにしてもこの中庭!

ご近所を散歩。

時々風により、キラキラした夢が舞い上がる。もしや、これが、かつてユーミンが歌っていたダイアモンドダストなのかしら。

m-kamikura.com

どうやら、おさんぽJAPANという番組の収録で国分太一氏がいらしていたらしい。その番組、観たかったなぁ…!

夏はまた違う顔を見せてくれそうな場所だ。

「コインロッカーの女」。裏社会の女を描いた韓国ノワール。


韓国、2015年、ハン・ジュニ監督、차이나타운

主人公イリョンは、10番コインロッカーに捨てられて、身寄りのないまま育った。10番だから、1(일) と 0(영)でイリョン일영、というわけだ。ある日、中華街?の女ボス、通称「母さん」の貢物となり、引き取られることになる。この”母さん”は裏社会のボスのようで、高利貸しをしながら、身寄りのない子供たちから脈のある人を「家族」とし、暮らしている。ただし、この家族には貢献していないといることができない。イリョンは子供の中からある意味役に立つ子だった。非常に冷酷な取り立てを行い、性別は意識しない暮らしをしている。

ある日、彼女が取り立てに行った先の青年がとっても優しくて、ある意味育ちもよい、いいひとだった。青年の親がつくった多額の借金を取り立てるべく彼の家に向かうイリョンだが、その人の天然の好さ、そして父親を信じる気持ちに、調子が狂うイリョン。どうやらイリョンは彼に惚れてしまい、冷酷な取り立てができなくなってしまった。これは家族への裏切りを意味する。さて「母さん」はどうするのか。

主人公を演じたキム・ゴウンと、キム・ヘスの掛け合いが素晴らしい。そして、イリョンが一瞬女っ気を出すところ、暴力的な他の家族たちがそれぞれ一瞬やさしさや弱さをみせてくるところにぐっとくる。社会のくずのような暮らしをしている一家なのに、情すらわいてきて、チャイナタウンっぽい表の派手な看板と裏腹に、家族の寂しさもが表現されていた。イリョンが子供時代に母さんに言う”배고파요.(おなかがすいた)”はこの映画で妙に印象に残るのだが、イリョンは最後、母さんの勧めた食事を食べることはない。ジョニー・トーの作品だったら、ここはガッツリ食べさせるんじゃなかろうか。

これは秀作、いい作品でした。

和食処富澤@一ノ関。「ミニ」なはずなのにミニじゃない海鮮丼。


一ノ関にやってきたので、美味しいごはんが食べたい一心でこのお店へ。店構えはただのお魚屋さんにしか見えないので一瞬驚くが奥に行くときちんと"お食事処"がある。しかもこのお食事処は、江戸時代の米蔵を改装したのだとか。

のれんをくぐる前に、どーんと構えるおすすめランチの紹介。すでに迷う。

中はとても素敵で趣のある雰囲気だった。

結局私たちはお酒とともにランチを楽しむことをチョイス。おつまみをちょこちょこ頼んで、ミニ海鮮丼を頼む。いわゆるお通しからすでに感動的なクオリティなのだが、このミニ海鮮丼がよかった。ミニなのにトッピングはすごいボリュームで、しかも見た目がとても美しいのだ。

もちろん美味。素敵な場所を知りました。