Chi La So.ずっと家族を支えて生きてきた女性が、本当の愛を見つける「かもしれない」物語。


インド、2018年、Rahul Ravindran監督

タイトルを翻訳すると「結婚した女性」ということになるらしい。
主人公は、Arjun。とくに目立ったことのない、強い意志もないような会社員だ。両親は彼が適齢期を逃す前に結婚してほしいと強く願っているが、Arjunにその気はまったくない。ある日、両親の差し金でお見合いがセットされる。しかも、親抜きの二人きりの環境でいきなり会うこととなる。相手はAnjaliという女性。非常に意志が強く言いたいことをはっきりいう女性だ。しかし、彼女がそうなるには、理由があったのだ。Arjunは、しぶしぶAnjaliに会いに行くこととなった…。

はじめは、韓国映画の「猟奇的な彼女」みたいな、パワフル女性の話かと思っていた。しかも、Arjunの上司のようにコメディアンっぽい人も出ていたので、ますます。でも、実際はそういう話ではない。Anjaliは、家族のことばかり考えてしまって、自分の欲求に素直になれないのだ。ある経験から、裏切られることを恐れ、自分だけを頼って生きるようにしてきたがゆえ。ぼーっとしているようにみえるArjunが、彼女の強さの理由、そして彼女が本心をいうときの癖を見抜くところで、やっと理解者が現れたんだなとほっとする。そして、泣けるほどではないが、ちょっとぐっとくる展開になる映画。

Raazi。印パ戦争のさなかに諜報員として働いた普通の女の子の物語。

インド、2018年、Meghna Gulzar監督

ストーリーは、新米のインド兵士たちに対する訓示のような形で展開する。インドとパキスタンの戦争が激しかった当時、シークレットサービス要員として人生を犠牲にした女性がいた…と。
時代は1971年、ちょうど第三次インド・パキスタン戦争が行われていた時だ。
ja.wikipedia.org

パキスタン諜報機関でインドのために働いていた男が肺がんを患っていた。余命僅かしか残っていない男は、(どうやら父親もインドのために諜報機関にいたようだ)、娘のSehmatにインドのために働く家族の意思を継がせようと、彼女をエージェントに仕立て上げ、長い間友情で結ばれてきたパキスタンの軍人の男Brigadier Syedの息子で軍人のIqbal に嫁がせることにする…。Sehmatは20歳の普通の大学生だが、エージェントになるためのあらゆる訓練が始まる…。

Sehmat Khanを演じているのは、アーリア・バットAlia Bhatt。今までみた映画は、明るくてちょっとドジな女の子、みたいな感じの役柄ばかりだったので、スパイ役の彼女は別の意味でもハラハラする。危機一髪を乗り越えるたびに普通の女の子の顔をみせるSehmatが切ない。そして…無事にミッションを果たしたところで、普通の人は幸せにはなれないのだ…。

この世界の片隅に


2016年、片渕須直監督、日本

世の中「令和」の移り変わりにわいている。年越しそばよろしくお蕎麦を食べたり、居酒屋さんで盛り上がったりといろいろな過ごし方をする人たちがいたみたいだが、私は雑事をこなしながら映画を観ていた。そのうちの1本が、この映画。新しい時代を迎えるとともにもう一度観たいと思ったのだった。

舞台は昭和19年。主人公のすずは、海軍に勤務する夫、周作の暮らす呉に広島から嫁ぐことになる。戦時中とはいえ、すずの日常は普通そのものだ。絵が得意なすずがスケッチ対象にしたものが機密事項にあたるということでスパイ行為を疑われて連行されそうになったり、節約のために食べられる草を集めて料理したり、友達の恋をからかったり、結婚前に好きだった人が出兵する前にちょっと会ったり…でも、そんなすずが、あることをきっかけに生きる希望を見失いそうになる。そんな頃に原爆が投下され、戦争は終了する。すずは、いろいろな不条理を払いのけてたくましく生きていく様子が描かれている。

改めてみても、心にしみるシーンや言葉がたくさんある。水原哲の言葉「ワシを思い出すなら、わろうてくれ。この世界で普通でまともでおってくれ」とかね。どんなにつらいことがあっても、人は何かをよりどころにして生きていくんだ。そんななかで笑顔やユーモアを忘れることなく生きていきたいね。

うかい鳥山@八王子


平成最後の法事ののち、ここで昼食会があった。新緑がまぶしかった。
六本木とか都心にも進出しているけれども、やはりうかい鳥山は自然の中にあるのが正義だ。

ほたる鑑賞の夕べ、なんてイベントもやっているのね!


メニューは、タケノコ、こごみ、川魚…と春の風味が色々。焼いたゴマ豆腐が予想外に美味だった。あとはやはり鶏肉。御殿場の鳥らしいが、ここでは牛肉はいらないかな、と思ったりした。

親戚曰く、昔は「野鳥料理」ということでスズメや鶉を丸ごと炭で焼いていたそうなのだ。さぞワイルドだったんだろうな。今は地鶏だけとなったが…。

シティ・オブ・ゴッド


2002年、ブラジル、フェルナンド・メイレレス監督、Cidade de Deus

久しぶりに再度観た映画。
ブラジルの貧民街ファヴェーラの地区、シティ・オブ・ゴッド(神の街)。ここは、麻薬、銃、恐喝が日常的で、つねにギャングが頂点を目指して殺し合いをするような環境だ。子供たちもギャングの一員となって悪事に加わる日々。
その街中に住む子供たちそれぞれに焦点をあてながら、ストーリーが進んでいく。
構成といい、展開といい文句はないのだが、人が死にすぎる。しかも、それが子供ばかりだったりするところが観ていてつらくなってしまう。幸せになりそうな人まで、銃で死んだりすると、もうやりきれない…。しかもこれが実話をベースにしているというのだから、辛すぎる。
唯一の救いは、このファヴェーラから実際にAlexandre Rodrigues(アレシャンドレ・ホドリゲス)という写真家として活躍している人がいる、というところくらいかなぁ。あと、音楽が好きなら、歌手としても活躍しているSeu Jorgeが出演しているところかな。

チャンス商会~初恋を探して~


2015年、韓国、カン・ジェギュ監督

主人公のお爺さん、ソンチルはちょっと短気な独居老人。何か気にくわないことがあるとすぐに怒鳴り散らしたりしている。そんな彼がお隣に引っ越してきた花屋の女性、グンニムに恋をする。まわりの人の全面的な協力を受け、スマホの使い方を習い、外食のシミュレーションをして、短期ながらも彼女に尽くそうとするソンチル。
ところが、この恋には偉大なる秘密があった。

韓国ドラマよろしく、「え、こんな病気ある?」とかいろいろ気になるかもしれないが、老いることとか、人を愛すること、忘れることについて考えさせられる映画。自分の身内をソンチルに重ね合わせてみると、切なくて感動する。

Attitude (アティチュード)@初台


夜のチョイ飲みをするために立ち寄ったお店。ドイツ料理が中心ということで、楽しみにうかがったお店。おしゃべりとワインに夢中になってしまい、注文した食事の写真なんて撮影し忘れちゃったのだが、美味しかった。


唯一撮影した料理写真はこれだけかな。サラダの上にはエディブルフラワーがのっていて、それだけでもテンションが上がるというのに、さらに下にポーチドエッグが潜んでいて、美味かった!

ゲヴェルツトラミネールの原産地、イタリアのアルト• アディジェの町、トラミンのゲヴェルツを飲み、感動。

あとは、マデイラワインというものにはじめて巡り合った。
解説によると、マデイラワインとはポルトガルマデイラ島で造られる、酒精強化ワインのことをいう。ポートワインやシェリーワインと並ぶらしい。加熱熟成といって、加熱によって意図的にワインを酸化させる熟成方法や、取り扱いや保存に気を遣う必要がないことが特徴らしい。
マデイラワインを作り出すブドウ品種は、セルシアン、ヴェルデ―リョ、ブアル、マルヴァジア、ティンタ・ネグラ等といったものがあり、その品種によって甘口か辛口かが決まるそう。
友達は15年ものを試していたが、保存が簡単ということは、自分の生まれ年のマデイラワインにも巡り合う可能性が高かったりするのだろうか。1792年ビンテージというのがあり、これは、あのナポレオンに対してマデイラ島のイギリス領事がマデイラワインを樽で送ったことが由来らしい。生きているうちに巡りあえるかな、どうだろう。