(WFH Long Stay) アイヌの文化を知る博物館色々@北海道

北海道でアイヌ文化を知るために博物館に行きまくった。ここにメモしておこうと思う。

旭川市博物館
旭川駅からイオンと反対が他の方に10分歩いたあたりにある博物館。旭川市のある上川盆地には「ペニウンクル(川上の人びと)」と呼ばれるアイヌが暮らしてきたとか。サハリンや本州の縄文文化との交流を経て、13世紀くらいにアイヌ文化が成立したとのことで、資料によってその歴史をふりかえっている。
アイヌって縄文文化が本州より長く、本州の飛鳥時代あたりまで縄文文化が続いていたらしい。見ごたえがある展示だった。ここはおすすめ。

旭川の移民が持ち込んだ文化の展示も気になった。
f:id:asquita:20200912141517j:plain

f:id:asquita:20200912141512j:plain

f:id:asquita:20200912141520j:plain

旭川博物館をアイヌの展示に大幅シフトした立役者、瀬川元館長の本。
f:id:asquita:20200912141525j:plain

●川村カ子トアイヌ記念館
f:id:asquita:20200906125111j:plain

f:id:asquita:20200906125115j:plain
旭川駅からバスで30分くらい?の場所にある博物館。パンフレットに書かれたバス乗り場の情報が古いので、確認は必要だ。また、バスの時間が非常に限られているので、時間には余裕を持った方が良い。私は開館時間の10分後くらいに訪問したがあいておらず、記念館の電話番号に連絡してあけてもらった。

中はいかにも私設という感じで、上川アイヌの長だったという川村カネト氏の私物らしいものが所狭しと並んでいる。静岡かどこかで鉄道工事の測量技師としても活躍したらしく、その作業にまつわる者も置かれていた。本当は川村家の一族だと思われるお嬢さんに話をききたかったのだが、できませんでした…
f:id:asquita:20200906125140j:plain

●北海道立北方民族博物館@網走
旭川市立博物館が本州との結びつきを中心とした展示をしているとしたら、こちらはグリーンランドエスキモーやフィンランドサーミ族等、北海道よりも北にいる民族の文化や社会を理解するための博物館。アザラシの毛皮やシャケの皮の靴、クマ送りの儀式、狩猟道具や移動手段等、アイヌの人々と共通している文化を持つ民族が北方に意外にいることを実感できる。かなり見ごたえがあった。

●国立アイヌ民族博物館
f:id:asquita:20200912142131j:plain

f:id:asquita:20200912142135j:plain
ウポポイの敷地内にある博物館。ウポポイに行くならまず博物館を予約することをお勧めする。そして、博物館が予約できたタイミングでウポポイに行く、というのが一番よさそうだ。
私は、旭川から日帰りだったにもかかわらず、19時半という一番遅い時間にしか予約ができず、満喫できるか心配だったのだが…結論からいうと、1時間もかからずみられる量の展示だった。一番充実していたのは、アイヌ語に関する展示。今まで使われてきた教科書やアイヌ研究者、萱野茂氏のアイヌ語を話す声など…。ただし、アイヌ文様や彫刻の古い展示は少なく、ちょっと残念。まあ、現代の工芸を紹介する美術館だと思えば、いいのかもしれないけど。
f:id:asquita:20200912142052j:plain

派手に宣伝していただけに、これからの展示にも期待したい。なにせ、道路の看板もほぼウポポイが独占していたのだから…
f:id:asquita:20200912142835j:plain

ご来場記念もらいました。
f:id:asquita:20200915124346j:plain

札幌にもアイヌ関連の博物館があるそうなので、いつか行ってみたいな…

ピーター・ドイク展@東京国立近代美術館

f:id:asquita:20200911002355j:plain
ピーター・ドイクは、1959年、スコットランドエジンバラ生まれのアーティストだ。コロナのせいで会期が延期された美術展を観にいった。スコットランドの影響が大きいのかと思いきや、カナダやトリニダード・トバコで暮らしていた経験があることから、意外に南国風の画風もあって面白かった。あと、作品によっては、無意味に死体っぽい人が描かれていたり、寒そうな風景の中で湖に入っている人が描かれていて、ちょっと事件の香りすらした…。子供に、絵にまつわる物語を書かせるイベントをやっていたが、色々な想像力を掻き立てられる作品ばかりなので、さぞ盛り上がることだろう。いいアイデアだ。だれかとおしゃべりしながら鑑賞したい作品群だった。
f:id:asquita:20200911002416j:plain

f:id:asquita:20200911002420j:plain

f:id:asquita:20200911002412j:plain

日本のニセコの広告をベースにして書いた作品や、ダムサイトの風景を描いた「ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ」という絵の色合いはすごく印象に残った。フラッシュを使わなければ写真撮影OKだったので一応いくつか写真を撮ってみたが、やはりあの2-3メートル四方の大きなキャンバスに描かれているからこその迫力もあるよね。
f:id:asquita:20200911000423j:plain

地元の映画鑑賞会のために描いたポスターもポップでかわいかった。「おお、この映画のこのシーンを切り取ったか」という感じ。こちらはほんの一部。

f:id:asquita:20200911002512j:plain

f:id:asquita:20200911002503j:plain

f:id:asquita:20200911002509j:plain

f:id:asquita:20200911002455j:plain

f:id:asquita:20200911002506j:plain

f:id:asquita:20200911002459j:plain

f:id:asquita:20200911002452j:plain

国立近代美術館には、素敵なレストラン「レストラン ラー・エ・ミクニ」があり、こちらにもちゃんと予約して行った。ゆっくりできるし料理は美味しいし最高の週末が過ごせること請け合いだ。

コバエ対策のトラップが、まさかの「フロッシュ」だった件。

夏場、あれは7月頃だっただろうか。やたら家にコバエが出て気になっていた。特に台所と、観葉植物のあるあたり。毎年のようにこんなに大量発生しているのに今年は家にいる頻度が高いから気が付いてしまったのか、それとも例年になく発生率が多かったのか、正直はかりかねていた。でもまあ気持ち悪いので、対策方法を調べていた。

curama.jp

大半のウェブサイトでコバエトラップとしてお勧めされていたのが、まさかの「めんつゆ」と「お酢」であった…でもうちのお酢は千鳥酢だし、麺つゆは白だししかない。ちょっとコバエ対策に使うなんてちょっともったいないし嫌だなぁ…と思って躊躇していた。そうこうしているうちに9月になり、コバエの存在にまったく気が付かなくなった。

さて、昨日。スポンジに洗剤を出してみると、なぜかコバエが2匹出てきた。どういうことだ!?と思い確認をしてみたら、なんとフロッシュの中にコバエがたくさんういていて、イチゴのツブツブみたいになっているではないか。どうやら、我が家のコバエたちは残らずフロッシュに誘因されて、自爆していったのであった…。数えていないけれど、2-30匹はいるような感じにみえた。気が付かずに洗剤使っちゃったよ。

それにしても、Froschのブラッドオレンジは、そこまでコバエが好むような甘い香りだったのだろうか。よく、コバエトラップの作り方の説明には、「口の広い容器を使ったほうが、香りが広がりコバエが誘導される」なんて書いてあったけれども、この洗剤の口は、狭いなんてもんじゃない。むしろ、どうやって入ったんだ…と疑問に思うレベルである。また来年もコバエが出てきたら、この洗剤を使ってみようと思う。
f:id:asquita:20200907204131j:plain

Django Allstars @ Le Studio Grands Boulevards Festival

TSF Jazzが6月1日~26日までの3週間、同社がパリに有する“Studio Grands Boulevards”でオンラインコンサートを開催していた。
asquita.hatenablog.jp

出演者が20組ほど出ており、そのライブの模様は少しずつ公開されたいたのだが、とうとう6月25日に開催されたDjango Allstarsのライブ映像が公開された。

ライブ映像をみて気が付いたのだが、いつものDJの人が司会をして、トークも含めて中継されていたようだ。欧州の夜に開催されるライブは大抵日本の明け方なので、生中継されても視聴がかなわずにいた。後日贅沢な企画を公開していただき、ありがたい限りだ。

Django Allstarsは、ニューヨークで行われたフェスティバル、 "Festival Django Reinhardt de New York"のために2011年に結成されたグループだ。当時はドラド・シュミットDorado Schmittが率いていたグループだが、今は息子のサムソン・シュミットSamson Schmittにリーダーが代替わりしている。ここ最近は、アコーディオンにリュドヴィック・ヴェイエLudovic Beier 、ヴァイオリンにピエール・ブランシャールPierre Blanchardと主役級のメンバーが加わり、ますますパワーアップして活動しているようだ。リズムギターのフィリップ・キュイルリエPhilippe Doudou Cuillerier、そしてベースのアントニオ・リクサティAntonio Licusati も、それぞれRomaneや、Thavolo ShcmittやBireli Lagrene等との共演歴があるベテラン奏者だ。安心感ある演奏にうっとりできる。

今年の秋は、ノルマンディ地方でもライブツアーを控えている様子なので、遠方にいても彼らの活躍がみられるだろうか。
www.operaderouen.fr

letincelle-rouen.fr

Les Doigts de l’Hommeメンバーによる新たなジプシージャズカルテット、"ECCA"

Les Doigts de l'Hommeは、疾走感のあるマヌーシュ・ジャズを演奏してくれる4 人組で、大好きだ。ただ、各メンバーがそれぞれ忙しいこともあり、なかなか活動状況がみえない。2020年は、3月14 日、つまり、フランスでCovid-19の感染拡大防止のための自宅待機(Confinement)期間の3日前の、Festival de jazz de l'Alpe du Grand Serre(Jazz 'ALP)の出演くらいか、こちらで把握できるのは。

…と思っていたら、最近、メンバーのギタリスト2名、ブノワ・コンヴェールBenoît CONVERTと、ヤニック・アルコセルYannick ALCOCERが、ECCAというクアルテットを結成していた。フランスのリヨンを中心に活躍しているらしく、ヴァイオリンにレミ・クランブRémi CRAMBES、そしてベースには、ジョアン・エシュ-プュイJoan ECHE-PUIGという人が参加している。なるほど、参加者の苗字をつなぎ合わせて"ECCA"というバンド名が誕生したのであろう。

ギターの二人はすでに実力者なのでさておき、ヴァイオリンのレミ・クランブに注目したい。この方も鈴木メソード仕込みのヴァイオリンでジャズを体得したらしい。


ECCAは今年まだバンドとしての活動記録を見つけることができなかったが、素敵な音楽を届けてくれそうな予感がする。

ドイツのマヌーシュ・ジャズギタリスト、Wawau Adler Gypsy Trioのライブ映像

COVID-19 (新型コロナウイルス)は相変わらず猛威を振るっているようだが、最近は、ライブ開催の知らせもぼちぼち聞くようになった。いつまでもこもっていては人間らしい暮らしはできないので、これは嬉しい流れだ。
最近見つけたのが、ドイツのギタリスト、ワワウ・アドラーWawau Adlerが地元のカールスルーエにあるライブハウス、Hemingway Loungeで行ったコンサートだ。このライブハイスは、クラリネット奏者のWolfgang Meyerによって創設された、70名ほどの人数で音楽を楽しめるホールらしいのだが、今回は"Culture on the terrace"ということで、テラスでも楽しめるようになっていたようだ。リズムギターにはフランスからホノ・ウィンテルステインHono Winterstein、ベーシストはシャビエル・ニッチXavier Nikçi 。両者とも、ビレリ・ラグレーンやドラド・シュミット等と共演歴が多数あるミュージシャンだ。

手堅いジャンゴ・サウンドにうっとりできるライブ映像です。

コロナ下の創作活動。マヌーシュ・ジャズギタリスト、Sandro Lorierの "Japan Swing"

サンドロ・ロリエSandro Lorierは、フランスのアルザス地方、ストラスブールと同じバ=ラン県にある町、サヴェルヌSaverneで生まれたギタリストだ。マヌーシュの一族生まれであり、父親のパキートPaquitoも有名なギタリストで共演歴も多数。サンドロは子供のころからマヌーシュ・ジャズにとどまらず、フラメンコやジャズ、ボサノヴァ等のギターも学び、19歳となった2013年にパリの若手のコンクールで優勝、2015年にはファーストアルバムをリリース、2016年には、父親とともにパリの有名かつ歴史もあるミュージックホールであるオランピア劇場でライブをするなど、確実にその実力で名を挙げてきた。ギターというのはジャンルによってはピックを使うものだが、彼はフラメンコギターの腕前を駆使し、どんなジャンルでも指で演奏するのが特徴だとか。

このサンドロ・ロリエとパキートの親子だが、実は昨年の5月~6月にかけて、日本でライブツアーを行っていたようなのだ。うわぁぁぁ、知らなかった。行けない距離ではない場所でライブがあったとは…。
www.meetup.com

というわけでその日本のライブはみられなかった私だが、サンドロ・ロリエが日本ツアーの際につくった曲を公開しているのを見つけた。オルガンピアノが参加していることと、リズムギターにも本人が参加した多重録音であることが特徴かな。

ちなみに彼による新作はもう2曲公開されていた。ひとつは、自分のスウィングということだろう、"Sandro's Swing" 。

そしてもう一曲は、移動遊園地の王様と呼ばれ、自身も演奏するほどのマヌーシュ・ジャズファンで多くのライブをサポートしているマルセル・カンピオンMarcel Campion にささげた歌、"Swing for Cecel"。Cecelというのは、マルセルのあだ名だそうだ。

そろそろ、ジャズライブ等も開催されるだろうか。ミュージシャンたちが自宅待機をしている間の成果や作品にたくさん触れられることを期待してしまう。