繰り返し、出会う人

その人とは、台風につきダイヤが乱れまくった中央線が、予定外にA駅に停車した時に、私が偶然その駅のホームを歩いていて、出会ったことがあった。週末のヘンな時間に、まさかの再会。あれは単なる偶然だと思っていたが、気付けば、その後も何かとばったり会うことが多い。たとえば赤坂見附の駅で、たとえば丸の内線のなかで。そして今日も、思いがけず新宿駅のホームでばったりと会ったのだ。

意図していないのに、繰り返し偶然の出会いをする人って他にも何人かいる。パリの空港で会った後、新宿ルミネでも会ってしまった知り合い。赤坂見附駅のホームで会った後恵比寿で出会い、その後、会社の先輩を訪ねて初めて行った(そして二度と行かないであろう)上野毛で会った同級生。どこかの駅でばったり会った後、今度は吉祥寺でばったり再会した、友人。当時赤坂に住んでいたその人にとって、吉祥寺はまさに「初めて来たが、そう頻繁には来ないだろう駅」だったときいて、そんなレアな状況で再会する、その人との縁の濃さに驚いた。

「一期一会」という言葉は信じている。人との出会いやその瞬間、その人と過ごす時間は、二度とないものであり、大切にすべきだろうと思うから。でも、物理的な「出会い」を考えた時に、これだけ頻繁に偶然出会ってしまう人とは、ヘンなつながりがあるに違いない。そして、今後、たとえ連絡が取れなくなっても、ある日どこかでばったり出会ってしまうような気がするのだ。