英詩のわかり方

英詩のわかり方

英詩のわかり方


ひょんなことから英語の詩に触れることとなった。ざっくりと意味を掴めている気はするが、イマイチきちんと日本語に落とし込めないもどかしさ、そして、どうも詩人の世界に入り込めない感じに、苦しんだ。そんな時に出会ったのがこの本だ。

「詩を読むとはどういうことか」という話からはじまるのだが、まさに私が思っていた、「翻訳を読んでみたけどなんだかなぁ」という感覚に触れていただいたことが、まずうれしい。そして、「いま読んでぴんと来ないものは、あとに回せ」というアドバイス。そうか、今わからなくてもいいんだ、もしかしたら、数年後にわかるようになっているのかもしれない、という安心感と勇気を与えてくれた。数々の、ゆるーい「詩と向き合う心構え」から、実際の詩の解説に入るため、とても興味深く詩の世界の入り口をのぞくことができたような気がする。また、本書に紹介されてている詩も興味深かった。

思えば、詩にはまったく縁がなかった。フランス語のペーパーバックをどうにか読んでみたくて、文章量が少ないようにみえたランボーの詩集を買い、堀口大學氏が訳された「ランボー詩集」と照らし合わせながら読んでみようと思ったが、あえなく挫折してそれっきりだ。きっと、このときの絶望感「文字量が少ないくせに、ぜんぜんわからない」というのが、私が詩から遠ざかる遠因なっているのかも。というわけで、今度はランボーにも再挑戦してみようかな。

ちなみに、著者の阿部公彦氏は、書評ブログも書かれており、これがなかなかおもしろい。おためしあれ。
http://booklog.kinokuniya.co.jp/abe/