天皇陛下の全仕事

先日、京都を訪れた友人が「奉祝 天皇陛下御即位二十年」とかかれたステッカーをくれた。そういえば、天皇陛下は何をされているのか、知っているようで知らないものだ。元宮内庁記者会所属の記者によるこの本を読んでみることにした。

そもそも国事行為とは何かということからはじまり、その内容を分類したうえで解説した、非常にわかりやすい本である。天皇陛下が皇室に長く伝わる伝統をきちんと踏襲されており、報道されていないところでも多くの伝統行事を執り行われていることや、「新嘗祭」などでただ豊作を祈念するのみならず、ご自身も皇居内の水田で稲作をされていること、被災地の御見舞訪問時には、周囲に迷惑をかけぬよう最大限の配慮をされていることなどが、よくわかった。

そういえば、たまたま参加していた内閣府のプログラムが天皇陛下が皇太子時代のご成婚記念ではじまった関係で、プログラム終了後に天皇皇后両陛下拝謁の機会があった。当時は何も考えずに皇居を訪れ、12名の団員で両陛下を囲み、派遣国の経験について語ったことを思い出す。あれは、「接見」というものらしく、拝謁の形式は、その状況や団体との関連性、人数などによっても異なるとのこと。あの時にこういう本を読んでいれば、もっと理解して楽しめたのに。もう二度とないであろう機会を最大限に楽しむためには、事前勉強が必要なのだ。

天皇陛下の全仕事 (講談社現代新書)

天皇陛下の全仕事 (講談社現代新書)