Cedar Walton Trio@丸の内Cotton Club

Cedar Walton Trio
Cedar Walton(p)/Tony Dumas(b)/Willie Jones III(ds)
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/cedarwaltontrio/

シダー・ウォルトンは好きなアーティストである。ジャズをいよいよ本気で好きになってから、けっこう初めのほうに、彼のトリオによるアルバム"Latin Tinge"というアルバムをききまくっていた。なぜこのアルバムに行き当たったかというと、ボサノヴァが大好きで気が触れたかのようにききまくっていた時期に大好きだったA.C. Jobimの曲"Triste"が入っていたから。

その後ほどなくしてこの人が偉大なるメロディメイカーであることに気が付き、以来好きなアーティストになった、というわけ。とくに"Firm Roots"は、だれがプレイしてもよい、と思うくらい大好きだ。なのにもかかわらず、日本に来ているのは知らなくて、ひょんなきっかけで誘われたので、このライブに行った次第だ。

シダーは、オリジナルからスタンダードまでを演奏していた。安定感のあるメロディアスな演奏で、ラテン系アレンジの軽やかさは、まさにシダー節だったのではないか。演奏や選曲はけっこうよかったと思うのだけれども、客席がおとなしかったのは残念だ。コットンクラブを音楽にまったく興味がない人の接待場に使ったり、酒を飲んで居眠りした挙句に演奏途中で帰ったりするのはやめてほしい…なんていうのは自分のエゴなんだろうけれども。

そんな客席の雰囲気を知ってか知らずか、シダーは70分ほどできっちりと仕事を終えると、アンコールに答えずに会場を去ったようだった。残念ではあるが、文句を言っても仕方ない。ジャズライブって、お客さんの盛り上がりと、ミュージシャンの気の乗り方が最高潮に達したときに、はじめて満足度が高いものになる気がするから。お客が乗らなきゃそれもめぐりあわせ。お日柄が悪かったようで、仕方ないですな。

なお、一緒にライブに行った人のうち、ピアニストの人がいっていた。この日のライブ、ピアノとベースのコミュニケーションがうまくいっていなかったと。ピアノがベースのプレイに不満気だったらしい。さすが本職の人は、観るとこが違う。そこまでは気が付かなかった…。