第2回LPレコード ジャケット・アート展"デヴィッド・ストーン・マーチン特集"


都営地下鉄市ヶ谷駅、A2あたりの出口を目指していくと、その界隈の通路が「プロムナード・ギャラリー」になっている。ここで現在、ジャズ・レコードのジャケットデザインで有名な、シカゴ生まれのグラフィック・デザイナーDavid Stone Martin(DSM)の手でデザインされたアルバムジャケットがずらりと展示されている。いずれも鳥越干城さんという個人コレクターの所有物だ。

ジャズに限らず、時にCDを「ジャケ買い」をしたりもするが、ジャズアルバムを多く手掛けた人がいるとは知らず、また、同一人物がデザインしたジャケットだけをまとめてみたことはなかった。そういえば、つい先日も私がお世話になっているジャズ試聴会でもStan Getzの"West Cost Jazz"を聴いたが、これもDSMデザインだったことを知った。

今回は24点のジャケットが展示されているのだが、こうして並べて鑑賞すると、線の使い方やテイストに統一感が見出せて、おもしろい。色づかいはフランスのポスター画家、R.サビニャックのそれを彷彿とさせる。大部分のジャケットには楽器をはじめ、音楽を示すモチーフが必ず入っており、これを見比べるだけでもおもしろい。また、デザインも芸が細かいのもいい。たとえば、Charlie Parkerのジャケットでは、通称Charlie Bird(バード)であることにかけて、鳥が集う中で鶏がサックスを吹く姿が描かれていたり。

Dizzy Gillespieの曲がったトランペットだって、

ちゃんと忠実に再現されている。

ジャケットの背景部分には、ミュージシャンを表現する小道具が潜んでいるのだが、そのあたりの解説もキャプション内できちんとなされているため、楽しく鑑賞できる。2月いっぱい開催予定。

ちなみに、私のお気に入りはこれ。構図と色づかい、楽器の配され方が好み。


Tal Farlowのジャケット、青いギターが優しい雰囲気にデフォルメされていて印象的。これもいいね。

ついでに、こんなサイトも発見。ジャケット好き目線でいろいろなジャンルのLPが紹介されていて、コレクターじゃなくても楽しい。家が広ければ、ジャケットデザインが気に入ったものを、アートとして飾りたいと思ってしまう。
http://lpcoverlover.com/