トークセッション〜千田善氏を迎えて〜「ボスニア・ヘルツェゴビナ(BIH)とサッカー」

イビツァ・オシム前サッカー日本代表監督の元専任通訳としても活躍された、千田善氏を迎えてのイベントに行った。かつて訪問した国が今どうなっているか知りたい…という軽い気持ちからの参加だったため、講演タイトルもあまり観ていなかったのだけれど、たぶん聴衆の3分の1はサッカーやオシム氏のファンというふうに見受けられた。

サッカーの話題が多かったかな? 詳しくないゆえそこに共感できなかったのは残念。ただ、当たり前のことだけれども、ムスリムセルビア人、クロアチア人が共存する国では、どの民族に所属するかによって、観るメディアも、応援するサッカーチームも違う、という話には納得。そして、サッカーは世界的に人気であり、屋外で行われるため観客動員規模も大きいため、どうしても民族間のいざこざに使われる、という話には目がウロコだった。

ちなみに、BIHの人は、サッカーワールドカップ時にはその民族出自による代表を応援したという。つまり、クロアチア系はクロアチア代表、セルビア系はセルビア代表という具合だ。ところが、ミロスラヴ・ブラジェヴィッチ現BIH代表監督は、クロアチア系でクロアチア代表の監督経験もあることから、今回はBIHのクロアチア系もBIHを応援するだろう、とのこと。ああややこしや。

JICAなどでは、民族融和策の一つとして、BIHの幼稚園でパソコン教室やら農作業を行う、などの試みをしているそうだ。あまり民族的バイアスのかからないうちに、民族の共存状態に慣れさせてしまおう、という算段らしい。一度分断した民族がまたひとつになるまでには、時間がかかるんだろうなぁ。

そうそう、クストリッツァの映画「パパは出張中」は、サッカーがキーになっているそうなので、今度観直してみようとおもう。仏国のポスターをみておもったが、なんだか、アクセントのない状態でみると、KUSTURICAクストゥリカってラテンっぽい名前にみえる。まあどうでもいいけれど。