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ユビュ 知られざるルオーの素顔@パナソニック電工汐留ミュージアム

Exhibition


Georges Rouault(ジョルジュ・ルオー)。たぶん日本では人気で、私も何度も観た気がする。ただし、画風はキリストだったりピエロだったりという印象があった。こんな感じ。

だから、今回の展示のポスターをみた時はびっくりした。だって画風がまったく違うのだから。

これは、ルオーが画商・アンブロワーズ・ヴォラールの依頼で取り組んだ版画集「ユビュおやじの再生(Les Reincarnations du Pere Ubu)」と、その制作プロセスで生み出された作品の展覧会だ。

もともとユビュというのは、アルフレッド・ジャリが創作した「ユビュ王」の主人公で、ナンセンス劇らしい滑稽なキャラだったそうな。こんなルックスだ。

大流行したこの作品に惚れたヴォラールは、フランス領レユニオン島出身だったことから、この版権を買い取ってアフリカの植民地を舞台にユビュおやじの話をシリーズで書き出した。この挿絵を描くのに抜擢されたのが、ルオーというわけだ。ルオーは、挿絵といいながらも物語の部分部分に直接関係しない、ただ、「黒人」「熱帯」「植民地」あたりをキーワードにして、挿絵を描きまくっている。ちなみに、ルオーの描いたユビュおやじがこれ。

白人政治家(植民者)イメージで、でっぷりしたイヤな感じ。あと、ジャリの作品で描かれたユビュとは全く違う。

ただ、この作品を機に彼が取り組んだアフリカ関連の作品が本当に素晴らしい。実際に、当時モンマルトルあたりで盛んだったレビュ・ネグルに通い詰めて動きを研究しただけあって、植民地やそこに生きる人々を題材にした作品の数々は秀逸!