「おわら風の盆」を堪能した!〜その①


富山県富山市の八尾(やつお)というエリアで行われている、300年の歴史を誇る盆踊りに行ってきた。「おわら風の盆」は、町建に関する重要秘密文書の返済を得た喜びを祝うために、三日間おもしろく町内を練りまわれとの町役所からのおふれに沿って、町民がいろいろな民謡やら浄瑠璃を、三味線、太鼓、尺八、鼓などの鳴り物に合わせて演じたことから始まったらしい。この祭日三日は、いつのまにか盂蘭盆三日となり、やがて豊穣を祈る現在の形になったそうだ。

去年、このお祭りにいった友人から、実は明け方まで踊り続ける行事があってこれが素敵だときいたため、今回は最終日の夜22時頃に会場に向かうことにした。

民謡「越中おわら」にに合わせて踊る「おわら風の盆」は、踊りが行われる地区によって11支部に分かれており、鳴り物も踊り方もスタイルがそれぞれあるらしい。たとえば、かつての花街だった鏡町では踊りも芸妓風だったり、天満町だったら、「川窪(コクボ)おわら」という、上の句の途中で中断し、「こらしょっと」とお囃子が入ってつなぎ、音程を下げて力強く歌う独自スタイルだったり。

そんなことは解説パンフレットを読んで後で知った話。私たちは越中八尾の駅から一番近い、福島支部から入り、ここで輪踊りに加えていただいてから、ぶらぶらと橋を渡って天満町、下新町まで行って引き返した。橋を渡ると、24時過ぎても町の中は信じられない賑わいだ。好きな方は徹夜で踊るそうなので、当然といえば当然か。私たちも、買い食い、飲み食いし放題(ってこんな夜中にどうかと思うが)。このお店で白エビの刺身と白エビのかき上げを食べた。

篠笛好きとしては、おわら風の盆のお囃子が笛レスだったことに軽い衝撃を受けたが、胡弓と三味線、それに歌い手さんの声の融合が心地よい。帰り道、灯篭のみでうっすら照らされた福島の通りで、お囃子隊のみの町流しに出会ったときには、心から感激したのであった。