"Sur les pas de Django au coeur d'un heritage"、ジャンゴ関連ドキュメンタリーが放映された!

France3で、Pascal Signolet(パスカル・シニョレ)とMichel Lefort(ミシェル・ルフォール)両監督によるドキュメンタリー映画"Sur les pas de Django au coeur d'un héritage"(伝統の核心で、ジャンゴの足跡を辿って、とか、そんなニュアンス)が10月30日に放映されたらしい。そして、もうそのトレイラーがアップされていた! 一部分だけでも観られるなんて、ありがたい。

このドキュメンタリーは、音楽と証言でジャンゴの足跡を辿って行こうというもの。サモワやらリベルシーやらパリのLa chope des Pucesのようなマヌーシュ・ジャズの有名な店といったジャンゴゆかりの場所において、身内(David Reinhardt, Levis Adel, Noé Reinhardtあたり)や第一線で活躍するマヌーシュ・ジャズ・ミュージシャンたちからのコメントにより、マヌーシュの精神やマヌーシュコミュニティにおいてまだ残っているだろうジャンゴの"遺産"を浮き彫りにしようという試みらしい。

なかでも、メインストリームでの目立った活躍はないものの、ジャンゴの精神を受け継いで音楽活動をしている、Gens de voyage, マヌーシュのミュージシャンたちを取り上げているあたり、このドキュメンタリー独自かもしれない。トレイラーでは、Gagar Hoffmann Pierreという人の曲"Ma vie est un orage."という曲を演奏しているWasso Ferretが登場している。そして、Wasso Ferret氏は、6歳の時に強制収容所暮らしを体験しており、当時の写真や音楽とともに、当時の思い出や失われたものについて語るのだ。

ちなみに、マヌーシュの強制収容体験にみられるような差別は、決して過去のものではなく、まさに今年、フランス政府はサルコジ大統領主導のもと、ロマ(マヌーシュ)をルーマニアに送還、国際社会で問題視されているような状況だ。EU司法委員会は、当面の間フランスのロマ追放に対する法的措置はとらないようだが。嘆かわしいですな。

そういえば、Tony Gatlifの新作映画"Liberte(リベルテ、自由)"も、ロマが強制収容された歴史を題材とした映画らしいので興味深い。ジャンゴのひ孫Levis Adelも子役として出演中だ。

「リベルテ」は日本公開ありだと思うが、このドキュメンタリーはどうだろう。せめてDVDで出てくれるとありがたいのだけれども。