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Evan Christopher "Django a la Creole"@関内ホール(横浜)

「今さら2カ月前のライブについての話?」なーんていわないで。このblog、実は「うまくまとめられず、musicircusに載せなかった記事の、いわば保管庫」でもあるのだ。
なんでこの記事をタイムリーにmusicircusへ出さなかったのか、もはや記憶にない。が、タイミングを逸してしまったので、もったいないけれどここには残しておこう。以下ちょっとmusicircusの書きっぷりでいきます。

知り合いに頼まれて、定期的に日本で開催されるジャズ・フェスティバルのことをを調べています。とくに、海外からアーティストを招へいするほどの規模のものを重点的にチェックしているのですが、先日、「金沢ジャズストリート」というイベントの情報を見ていて、偶然Evan Christopher(エヴァン・クリストファー)の来日を知りました。
このアーティストのことは、マヌーシュ・ジャズに詳しい友人が紹介してくれていたので知っていました。ニューオリンズ・ジャズの世界で名を馳せたアーティストですが、私が興味を持っているのは、2007年8月に結成された彼のプロジェクト"Django a la Creole(ジャンゴ・ア・ラ・クレオール)"の方です。金沢でのライブは「Evan Christopher's Clarinet Road」となっており、聴きたいものがきけるかどうか。金沢に行く余裕はないこともあり、ライブ行きを諦めかけたのですが、関内ホールで「Django a la Creole」と冠してライブをすることを知り、行ってみることにしました。このタイトルなら、確実に聴きたいものが聴けるはずです。

ライブは、ジャンゴの名曲"Douce Ambience"で始まりました。メロディこそよく知っている曲ですが、聴きなれたマヌーシュ・ジャズとはちょっと違う印象です。どこがどう違うのかよくわからず、うまく説明できないところが、情けないのですが。Christopher氏曰く、ジャンゴの作り上げた音の質感と、ニューオリンズジャズの特徴的なサウンド、それにクレオールのリズムを合わせたということですが、いわゆるクレオール的な陽気さはちょっと控えめで、より哀愁を強く感じさせます。

ステージでは、Christopher氏のリーダーとしての統率力と、プレイヤーとしての表情の豊かさが際立っていました。仲良しの友人同士のグループだと説明していましたが、友人同士の楽しい演奏風景をそのまま舞台に持ってきたような感じです。"Songe d'Automne"では、クラリネットを分解して、ブラジルのクイーカのような音を出すなど、楽しい仕掛けもあって、クラリネットという楽器の奥深さに触れた気がしたのでした。

なお、このライブは、Christopher氏のMC内容が充実していたのも、印象的でした。ジャズライブにおけるMCは、往々にして演奏した曲名と、観客への感謝の言葉のみ、ということが多い気がしますが、Christopher氏は、グループ結成のきっかけが2005年のハリケーン・カトリーナと関係があることや、ジャンゴ・ア・ラ・クレオールという発想が、実は真新しいものではなく、1930年代にジャンゴとニューオリンズクラリネット奏者Barney Bigard(バーニー・ビガード)を含むミュージシャンが共演した事実もあることなど、かなり詳しい解説をしていました。ニューオリンズ音楽の研究者としても実績がある方だそうですが、その学者肌なところが垣間見れた気がしました。

◆Evan Christopher's Django A la Creole◆
Evan Christopher(Clarinet)
Dave Kelbie (デーブ・ケルヴィー:acoustic guitar)
David Blenkhorn (デビッド・ブレンクホーン:Electric guitar)
Sebastien Girardot (セバスティン・ギラードット:Bass)

パリのジャズクラブDuc des Lombardsでも演奏しています。

今年のJazz in Marciacでは、The Rosenberg Trioと共演している模様。"Songe d'Automne"のクレオール風。これはすごい