米国の「2010年の単語」は、これだ。

日本では、1995年以来、年末ごとに財団法人日本漢字能力検定協会による「今年の漢字」の発表や、1984年からやっている「新語・流行語大賞」がすっかり定番化している。一方、米国では、1990年以来、American Dialect Society(米国方言協会)というところが、「今年の単語(Word of the Year)」を毎年選んでいるらしいことをニュースで知った。なんでも、この協会に所属している150人の言語学者や作家などが2日間にわたる協議の結果、複数のカテゴリから単語を選び出すという。20年以上もやっている行事だけあって、気合が入っている。
で、2010年の単語には、"app"、日本語でいう「アプリ」が選ばれた 。意味は、 "an application program for a phone or computer or other electronic device.(電話やコンピュータ、その他電化製品のための適用プログラム)"と定義され、例文には、なんとApple社の広告で使用されたフレーズ"There's an app for that."が挙げられた。マーケ担当としては、すごい快挙じゃないかな。

ちなみに2009年は"tweet"、2008年は"bailout"、2007年は"subprime"が選ばれていた模様だ。いずれも日本語ではカタカナ化して流通している単語だが、オリジナルの訳語を作るような動きはないのだろうか。フランスのように頑なになれとはいわないが、英語に飲み込まれていくような気がして、日本語の未来を心配してしまった。

なお、別の団体であるAmerican Name Society(米国名称協会)では、「2010年の名称」として"Eyafjalljokul"(あのアイスランドの火山の名前ですね)を選んだそうな。確かに、いろいろな意味で大きなインパクトを与えた単語かも。
空の混乱はもちろんだが、アナウンサー泣かせの名前という意味でも。

正しい発音はこれです。今さらだが、つくづく難しい名称だ。

American Dialect Society(アメリカ方言協会プレスリリース)
http://bit.ly/ejXOt3