"MIdnight in Paris"とマヌーシュ・ジャズ


(2011年、ウッディ・アレン監督、米国)
今年の夏に飛行機で観た映画の存在を忘れていた。御約束のWoody Allen作品だ。小説家志望、現在はハリウッドの脚本家をやっているギル(オーウェン・ウィルソン)と、フィアンセのイネス(レイチェル・マクアダムス)、それに、そのご両親がパリにやってきた。しっくりきていない二人。とくにイネスの友人と一緒の時などは、ギルが明らかに浮いている状態だ。そんななかギルが一人で街を散策していると思わぬ出会いが待ち受けていた。ギルは、「タイムスリップ」をして憬れの作家たちに会うようになっていき…。
とにかくこの映画のパリは美しくて、バーチャル旅行が愉しめる。ロダン美術館を案内するのは、あの有名な現役ファーストレディ。彼女の初出演作でもあるのではないかしら。主役は地味だが、楽しめる映画だ。

そして、マヌーシュ・ジャズ好きが見逃してはならないのは、サウンドトラックだと思う。Stephane WrembelStephane Wrembelというギタリストが手掛けたらしい。顔がわからないが、このプロフィール写真からしてギタリスト以外の生業が思い浮かばない。

この映画の雰囲気に合わせて作ったテーマソング "Bistro Fada"という曲がいい。本人が演奏している動画を発見した。

Stephane Wrembelはパリ生まれ、フォンテーヌブロー育ち。ジャンゴの音楽に元々親しんでおり、自らジプシーとのトレイラー生活など送っていたようだが、バークレーでもジャズなどをたしなんだ後、そのまま現在はNY在住だそう。さあ、これがマヌーシュ・ジャズ界の新たなスタンダードとなるか。そもそもまだこの映画が日本に上陸してなさそうなので、広まるのには時間がかかるかもしれないが、期待しています。