日本人とアメリカ人〜日本はなぜ、敗れつづけるのか


ちょっと表題のことに興味があり、読んでみた。1975年に昭和天皇がご訪米された際に、著者は一緒に渡米し、各方面に取材をしてその洞察をまとめた本だ。
とくに「有色人種地位向上委員会」会長との面談を通じて知りえる、さまざまなことが興味深い。ここでいう有色人種はブラックがベースであり、アジア系など利害調整が難しいものは連隊していないそうなのだ。これは日系人社会も同じで、ハワイにおけるマジョリティとなるハワイの日系人は、日系市民協会に入っていないのは、多数者と少数者が一緒に行動すると、内部調整に気を取られて目的を達せられないから、だとか。日本人的発想ではありえない。実利的、というわけだ。
人種差別主義にかかる考察も面白かった。そもそも人種を「同じ人間」でくくるその発想こそが差別的、というわけ。違いを認めた上で行動せよと。それでも誘発されるレイシストというのは、視覚や嗅覚、味覚から誘発される、といっていたな。この本を通じて自分の発想が完全なる日本人だ、ということを確信したのであった。
実はこの本の最後に、アーミッシュ村を訪問した様子が書かれている。これも短いながら興味深い。