日はまた昇る (Ernest Hemingway、佐伯彰一、訳)

日はまた昇る (集英社文庫)

日はまた昇る (集英社文庫)


パリで暮らす若者たちの非日常(ちょっと違う?)を描いた話。登場人物の男女4人の人間関係がちょっと複雑というか、だれがだれとつながっているのか、一瞬わからなくなるのだが、それが把握できるとあとは楽しく読み進めることができる。
パリからスペインに行ってお祭りの行列と行き交ったり、闘牛をみるところ、そしてバーで飲む風景は大変臨場感のある描写になっていて、映画になるのではないかしら。旅文学のような感じ。
登場人物の関係から、とくに闘牛の描写が細かいのだが、そこにおもしろいことが書かれていた。英語ではBullfighting、これが転じて「闘牛」ということなのだろうが、スペイン語ではLa corrida de toros、つまり、牡牛の疾走と呼ばれている、ということだ。つまり、戦いのニュアンスはない、ということだ。
こういう雑学的なところまで盛り込まれているせいか、引き込まれてしまったのであった。
それにしてもブレッド、どれだけ君は自由なんだ。きっと相当魅力的な女性なんでしょうね。