Jimmy Rosenbergとその父に焦点をあてたドキュメンタリー "The Father, the Son & the Talent"

大変しつこいようだが、ジミー・ローゼンバーグが大好きだ。今までにも、ジミー関連ではこんなドキュメンタリー映像を観てきた。
Jimmy Rosenberg de reincarnatie van Django Reinhardt
Jimmy Rosenberg de reincarnatie van Django Reinhardt - 空間Annex

Jon & Jimmy-Dreams Drugs & Django
Jon & Jimmy-Dreams Drugs & Django - 空間Annex

が、"The Father, the Son & the Talent"だけはフル動画を観たことがなかったので、いつか観てみたいと願っていた。
マヌーシュ・ジャズに関するドキュメンタリー映画 - 空間Annex
それが今回やっとフルで観られたので、大変うれしい。

ジミーは、10歳に満たないうちに天才ギタリストとして名を馳せたものの、その後精神を病んで10代後半でヘロイン等のドラッグに手を出し、リハビリのために、地元から離れたベルギーの病院で暮らす日々だ。一方、彼の家庭環境も複雑であり、お父様は義理の息子の暴力から娘を守るため、あるいは自分を守るために人を殺め、収監中となっている。お父様の7年ぶりの仮出所をきっかけに、そんなローゼンバーグ一家の想いや現在を映し出したのが、このドキュメンタリー映像だ。途中、Stocheloなども遠い親戚かつ若いうちに成功したギタリスト代表として、映像にコメントを残している。

もちろん、ジミー自身も、人気絶頂のジミーがどれだけすごい扱いを受け、どのようなお金の使い方をしていたのか。そんな彼がどのようにドラッグと出会い、落ちぶれていったのか…そんなことも自ら語っている。映像内の彼はものすごく後ろ向きな発言を繰り返しており、その挙動は、Jon Larsenの撮った映画ほどではないものの、やはりちょっと安定感に欠く。それでも、映像では、ジミーが父親の前で、Ella Fitzgeraldの"You Won't Be Satisfied"を英語で歌うシーンがあるのだが、その力強い歌声からは調子の悪さはまったく感じず、純粋に感動をした。あと、退院したジミーがお見舞いにギターを手渡されたところ、大変喜んですぐに地面に座って演奏をはじめるシーンがすごくよい。
このドキュメンタリーも、マヌーシュものドキュメンタリーらしく、再起を目指すジミーとその家族が行く場所としてやはりSamois-sur-Seineが出てくる。いつか、私はジミーの生演奏を観られるのだろうか。

(2019年、このドキュメンタリーのフル動画が英語字幕入りでアップされていたので、差し替え)

動画情報はこちらです。
www.idfa.nl