陽に灼けた道(The Sun-Beaten Path)


(陽に灼けた道 The Sun-Beaten Path、2010年、中国、ソンタルジャ監督)
「オロを知るためのチベット映画特集」の一環として上映されたこの映画。
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主人公の青年ニマは、ひょんなことから罪を犯してしまい、その償いのためにラサへの巡礼に向かう。その旅の帰り道、ニマはある老人に出会う。巡礼してもなお現実を受け入れられないニマは、だれの声もきく余地はないが、老人との対話を通じて、徐々に心が変化していく。
「罪を犯す」という表現が正しいのかわからないが、幸せな頃のニマやその兄の笑顔が、何ともすがすがしい。そして、その後のニマの暗すぎる顔のギャップが何ともいえない。老人はとてもいい味を出している。最後、老人が意外に冷たくみえるシーンがあって「オイオイ」と思った部分があったが、後で考え直して合点がいった。この老人こそが賢者であり大物だったのだなぁと。
映画でみるチベットはただただだったぴろくて色もほとんど単色で、気候が厳しい印象なのだが、そんななか、老人が持つ携帯電話の安っぽい着メロが「今の話なんだなぁ」と改めて感じさせる。
ところで、五体投地での巡礼って、すごいものなのだね。予告編にもあるそのシーンをみて、驚いてしまった。