系統立ててマヌーシュ・ジャズを聴ける/知ることができる好資料

médiathèqueメディアテークって日本語で何といえばいいのだろう。日仏学院などには設置されている、音楽や映像素材の資料館といえばいいのか。日本だと図書館の中に含まれていることが多い、あの施設である。
さて、パリ東部(になるのかな)にあるヴァンセーヌ市のメディアテークの資料に、マヌーシュ・ジャズに関する面白い文献を見つけた。タイトルはずばり、"Le Jazz Manouche"。2007年12月に発行された資料だが、この音楽がジャンゴ・ラインハルトという人によって発見されてから、いまに至るまでの変遷を時系列に記すとともに、オススメのCDや映像資料が紹介されている。マヌーシュ・ジャズを時系列に示して、その時代のミュージシャンとともに紹介するという試みは、Jean-Baptiste Tuzet氏の本などでもあったと思うが、こちらの資料のほうがA4で33ページとコンパクトな上に、理解するために聴くべきCDタイトルまで示唆されていてわかりやすい。フランス語がわからなくても、各章の最後に囲み、あるいはP22以降にまとめられているCD/映像リストを探して聴くとかなり面白いのではないだろうか。5年前の資料とはいえ、LDDLHまで言及してれば合格だと思うがどうだろう。
ざっくり読んでみたが、QHCFっていう単語に一瞬困った。ホットクラブ五重奏団ってこう省略するんだね…。そして、P18の、アルザスのジャズに関する話を読みながら、かの地に行ったのにその音楽とすれ違うことができなかったことを残念に思った。
なお、同じ章において、ジャンゴの従兄弟らしいシュヌケナック・ラインハルトSchnuckenack Reinhardtのことを初めて知った。2006年に亡くなったらしい凄腕バイオリニスト。ドイツサイドに暮らしていたのだろうか。

ストラスブールで2001年に行われたジプシーフェスティバルにおけるシュヌケナックのプレイも発見した。

今度、シュヌケナック氏のことも調べてみよう。
まあとにかく、しばらくはこの資料だけでニヤニヤと過ごすことができそうだ。例の資料はこちらにリンクをはっておく。