愛、アムール (Amour)


2012年、Michael Haneke監督、仏、独、オーストリア、Amour
アンヌとジョルジュは、長年連れ添った音楽家カップル。ところが、ひょんなことからアンヌの体調が悪くなる。手術を経て戻ったアンヌを、ジョルジュは献身的に介護していく…。入院は絶対にいやだ、というアンヌの意思を汲んで。
はじめはちょっとお茶目で生意気な発言などもしていた、そして何よりもかつては演奏家として人前に出る仕事をしていたアンヌが、日を重ねるにつれどんどん弱っていく様はその演技力も手伝って痛々しい。そんななか、アンヌと日々向き合いながらジョルジュの揺れる気持ちがよく描かれている。愛する人が衰える姿を目の当たりにするのは、つらいことに違いない。老いと死というテーマについていろいろと考えさせられる傑作だと思った。
ちなみに、先日La Cage Doreeという映画を観たのだが、その主人公を演じていたRita Blancoがこの映画でもお手伝いさん役で登場していた。フランス映画にポルトガル人が出演すると、どうしてもお手伝いさん役になってしまうのだろうか…。