女子校育ち(辛酸なめ子)

女子校育ち (ちくまプリマー新書)

女子校育ち (ちくまプリマー新書)


自身も都内女子校育ちだった著者が、mixiなどで集めたり取材をしたりして切り込んだ、女子校育ちっこの生態を分析した本。ちょっと過激な描写もあるけれども、当事者としては「よくぞこんな裏話まで引っ張ってきたなぁ」という印象だ。
とくに面白かったのは「女子校キャラ」の分析。女子校育ちは女の感情のツボがわかると同時に、同性の心の隙間に入り込んでうまく接することができる。一方共学育ちだと、同性がライバルでありアグレッシブに接してしまう。女性同士で褒めることなどありえない、という部分に、なるほど~と感心した。女子校は男性の目を気にしない分恥じらいがなくなる、というのもわかる気がする。
一番「そんなものか」と思ったのは、女子校は容姿において差別されない、というところ。思春期の男子は、もっと容姿にうるさくてあからさまに態度で示すということか? これはよくわからなかった。
なお、本書曰く「人は女に生まれるのではない、女になるのだOn ne naît pas femme:on le devient. 」と説いたボーヴォワールも女子校出身だとか。なるほど、女子校育ちのほうが、女性になる時期が遅く来るということか?
色々と内情が書かれてはいるが、私には、「いろいろあるけれど、やっぱり女子校育ちはいいよね」というメッセージを読み取れた。