星守る犬


2011年、日本、瀧本智行監督

決して手に入らない星をずっと眺め続ける犬のことを「星守る犬」というそうな(とこの映画で知っただけだが)。まさに「星守る犬」であるワンコ、ハッピーと、ある典型的な日本のおじさんの半生が、市役所職員で小さい頃両親を亡くした男、奥津の人探し旅行を通じて明らかになっていく。とくに期待をしていなかったが、西田敏行はじめ脇役まですべて一級で固められており、感動できる内容だった。動物との別れ、という意味合いでの感動もあれば、人間関係をうまく紡げない人が少しずつ心を開いていく様子、また、上手くいかなくなっていく夫婦のさまなども、うまく描かれていてじんわりとくる。あとで調べたら、原作のマンガも感動作として有名だったようだ。
この映画、東京から福島県、宮城、岩手、青森ときて、北海道は旭川まで車で踏破するというロードムービー仕立てになっているのだが、東京以北の風景はいずれもとても美しく、その風景にも心洗われた。こういう映画は映画館で観たいものだ。
先日、所要で北海道の名寄市に行ったのだけれども、名寄市が実はこの映画の撮影地だったため、映画の存在を知った。星が美しく見えるよう設計されたバンガローを備えた天文台や、夏には見事なひまわり畑が出現するなど、風景の美しい町だった。
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名寄市、ヒマワリの季節に行きたいものです。