シンガポールの巨匠ディック・リーDick Leeを懐かしむ

どんな目的で旅をした場合であれ、その国、あるいは土地に思いを馳せてしまう。というわけで、シンガポールに足を運んでから、ふと調べてみたいアーティストが頭を離れない。
私にとってシンガポールといえば、ディック・リー! ハマっていたのはいつだろう…と調べてみたら、日本デビューが1990年の「マッド・チャイナマン」だそうだ。ということは、かなりオンタイムで聴いていたことになる。もっとも、アルバムの中身をきちんと追っていたのは、1991年の「オリエンタリズム」まで。あとは、ミュージカルやら日本のアーティストとの共演などを耳にしつつも、(あ、あとはポンキッキーズの「シャナナナナ」くらいは知っているが)、そのまま動向を知ることはなく今に至る。どうやらソニーに移籍したらしく、ソニーのサイトに多少経歴などが掲載してあるが、今、どうしているのだろうか。
当時の私は、シンガポールという国のことは知らなかったが、多民族国家であるということなどはディック・リーの歌で学んだ。「異なる人種」というような単語が歌詞にちりばめられていたから。そして、混沌としたアジアの中で自分たちの存在を主張したがっているんだろうということも、肌で感じていた。シンガポールシングリッシュのことを知ったのもきっとこの時だ。ただし、当時は"Say Lah"という曲がまさにそのことを歌っているだろうことなど想像もつかなかったが。
さて、昔、ふとDick Leeが懐かしくなってYouTubeで検索したが、Cockatooというトリの歌しかひっかからず、残念な気持ちになったものだ。それが、久々に検索したら出るわ出るわ懐かしの曲が。懐かしすぎる。
なかでもとくに大好きだった"A Human Touch"という曲と再会できたのがうれしい。このPV、シンガポール観光ができるようにもなっている。今やだいぶ異なる風景があるとは思うけれども。それこそマーライオン一つとっても、もはやポジションが違うしね…。機会があれば、歌詞をじっくり検証してみたいと思ってしまう。