勘九郎ひとりがたり〜中村屋歳時記〜


昨年亡くなった中村勘三郎さんが勘九郎だった時代、20年前くらいに書かれた本。当時の勘九郎の言葉を誰かライターさんが書き取ったのではなかろうか。60代や70代の自分を語る姿が今や切ない一方で、澤村藤十郎中村吉右衛門とともに偶然出掛けた琴平の金丸座をみたことがきっかけで実現したこんぴら歌舞伎の話を読むと、平成中村座の実現は勘三郎の本望だっただろうと思う。
面白いところでは、亡くなったお父様が蝿になって現れた話。私も似たような経験があるのでやたら共感した。ゴルフと歌舞伎の比較話も面白かった。