駆ける少年


イントロダクション - runner-movie ページ!
アミール・ナデリ Amir Naderi監督、1985年、イラン
舞台は70年代のイラン。主人公のアミルは11歳。両親がなく働きながら自活している。暮らしているのは港町の座礁した船の中。友達と遊んで競争をしたり、大きな白い船を眺めたり、飛行機を眺めたり…仕事では大変なこともたくさんあるが、アミルの顔は幸せそうだ。そんな彼がひょんなことから読み書きができないことに気付かされ、学校に通いはじめるのだった。猛烈に勉強して文字を覚えるアミル。
この主人公、監督自身の話でもあるらしい。ナデリ監督も早くにご両親を亡くし、映画監督になるのも現場のティーボーイから入ったらしいから。まさに敷かれてもいないレールを自ら敷設して生きる少年のパワーに圧倒されるような映画だった。
自分は…1レアルのために走ったり、人を押しのけて競争したりしたことはなく、それが今の恵まれた日本、ということなんだろうな。
アミルが好きなことをしている時、また目的を達成した時にみせる笑顔がたまらなくいい。また、港町ということで、外国船の船員が集うカフェにジャズが流れている、という設定もなかなか。監督はこのカフェに流れる音楽の選曲も手掛けているのだろうか。記憶にあるところでは、"What a Wonderful World"がかかっていたのが印象的だった。