愛と欲望のフランス王列伝

愛と欲望のフランス王列伝 (集英社新書)

愛と欲望のフランス王列伝 (集英社新書)


何かと複雑な関係のフランス王の歴史をわかりやすく紹介した一冊。はっきりいってゴシップ満載、どの話も劇の題材になりそうだ。
なかでも面白かったのは、フィリップ4世の3人の息子、ルイ10世、フィリップ5世、シャルル4世の話だ。三人ともポームにハマった結果、妻たちが不貞を働きまくり、それが明るみに出て罰を負い…その後の王たちのお世継ぎを育てる努力もむなしく、カペー家断絶につながった、というもの。
日本の歴史を平行してみようとする努力もなされていて、それがこの本の内容をよりわかりやすくしてくれているように思う。
それにしてもフランス王のあだ名というかニックネームには、"Le Chauve(ハゲアタマ=シャルル2世)"だの"Le Gros(肥満=カール3世、ルイ6世)"だの、歴史に残るにはちょっとお気の毒だ。もちろん、それなりの理由はあるのだろうが。今までルイ14世が太陽王であるということしか意識したことがなかったので、妙に新鮮だった。