クロアチアのGadjo Manouche、自国のポップスをマヌーシュ・ジャズに。


2008年2月にクロアチアの首都ザグレブで結成されたバンドGadjo Manoucheのテレビ出演映像を見つけた。プロフィールをみると、基本的にはセクステット編成(ギター3名、ベース、バイオリン、クラリネットということらしい。ただ、この映像では、クラリネットが演奏しておらず、クインテット編成だ。
Gadjo Manouche
演奏は素晴らしく、正統派のマヌーシュ・ジャズを演奏しているようにみえるのだが、この曲はきいたことがないので気になった。タイトルは"Laku noć Luigi laku noć Bepina."セルボ・クロアチア語で、「おやすみなさいルイージ、おやすみなさいベピーナ」となっている。
ここからは、あくまでも私の類推なのだが、どうやらこの曲、オリバー・ドラゴジェビッチOliver Dragojevićというクロアチアの往年の歌手の持ち歌らしいのだ。で、この曲は1970年にRTV Zagrebで放映されたヒットしたドラマ"Naše malo misto"(日本語で私の小さな街、という意味らしいby Google翻訳)の挿入歌か何かではないかと想像するのである。なぜなら、このドラマの登場人物に、LuigiとBepinaという名前が出てくるからだ。
つまり、Gadjo Manoucheは、懐メロをマヌーシュ・ジャズに仕立てた、ということになる。心なしか、お客さんの反応もいい気がする。すでに知られた曲をマヌーシュ・ジャズにアレンジするというその試みが素敵だと思った。