台北の朝、僕は恋をする

台北の朝、僕は恋をする [DVD]

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アーヴィン・チェン監督、Au revoir Taipei、2009年、台湾=アメリカ
あまりロマンチックな映画は好きではない。そもそも「僕は恋をする」なんて邦題が気に食わないしね。なんでこのタイトルなの?と悩みたくなる、アルノー・デプレシャンの映画の邦題を思い出すから。まあそんな最悪な第一印象は忘れるくらい、ふつうに楽しい映画だった。チェン監督はエドワード・ヤンのお弟子さんであり、この映画には製作総指揮としてあのヴィム・ヴェンダースが名を連ねている。それだけで、邦題の醸す雰囲気よりもずっと高級な感じがする(笑)。
舞台は台北。屋台の息子カイは、パリに行ったガールフレンドを想って、本屋さんでフランス語会話本を立ち読みしては、彼女にフランス語で電話する日々だ。その本屋はもちろん「誠品書店」、台北行く人ならお馴染みでしょう。本屋さんで働くスージーは、そんな彼が気になって声を掛けてみる。
ある日、カイはパリへの渡航費欲しさに、屋台の常連客である不動産屋のおじさんに相談をすると、あるモノをパリに運ぶことと引き換えにお金を借りることができた。ところが、不動産屋の甥っ子がとんでもない悪者で、このモノを奪おうと悪巧みをする。さあどうなる、カイ!
台北を知っている人なら、師大夜市の情景や、映画のところどころに出てくる食べ物に台北が懐かしくなるはず。
そして、音楽! 徐文という人が作曲など手掛けているらしいのだが、ギターやヴァイオリンが多用されており、多少マヌーシュ・ジャズとかミュゼットを意識したサウンドトラックになっている気がするのだ。「リズムギターの拍の置き方が違う!」なんて言わないでほしい。
この名曲に似ている気もちょっとしたが。

やっぱり、パリも題材に入っていることを考えると、ちょっとだけ、ジャンゴやらグラッペリを意識している…はず。