我が至上の愛 ~アストレとセラドン~

(2007年、フランス・イタリア・スペイン、エリック・ロメール監督、Les Amours d'Astree et de Celadon)

映画の宣伝で、美男子が美女に囲まれているシーンが印象的だったので気になっていた映画だ。しかもエリック・ロメール監督作品だし。ただし、みんなが白くて長い衣装を着ており、男性陣もスカートなので、勝手に神話の話だと思っていた…。
羊飼いの女性アストレは、同じく羊飼いの青年セラドンと仲良しなのだが、両家の親の不仲により、表向きはその仲を隠している。あるお祭りで、セラドンがカモフラージュのために他の女性と踊り、そのまま仲良くなったのを見とがめたアストレが、セラドンに向かって「二度と自分の前に姿を表すな」といったことで、セラドンは絶望するのだった…。
究極の愛とは何ぞや、ということをわかりやすいキャラクターの登場で示したのだろうけれども、不自然さが残ったなぁ。途中、お城のマダムの高飛車な態度には、「これに惚れる人はいないだろう」と思うとともに、受け入れられにくい愛の形なんだろうなと思ったけれど…。後半の変装も「それでわからないか?」とちょっとツッコミを入れたくなった。喜劇と思っていればいいのかな。