ミッドナイト・エクスプレス

1978年、アラン・パーカー監督、米、Midnight Express

ミッドナイト・エクスプレス=深夜特急沢木耕太郎さんの小説なども相まって、ロードムービーかと勘違いして観賞を決めた。ところが、こちらの予想を裏切った、恐ろしい話にぞっとさせられた。しかも、Billy Hayesという人が書いた本にある、実話に基づく映画だというところも驚きだ。
主人公は、ビリー。トルコはイスタンブールの空港で、今まさにハシシを密輸しようと入国審査に挑んでいる。ところが、結局そのことが見つかり、刑務所へ入れられることに。そこから、ビリーの身には恐ろしいことが待ち受けていたのであった。
今の時代では想像もつかない話だが、映画にある当時のトルコの刑務所の無秩序さがすごい。もっとも、刑務所なんて昔はどこも人権無視だったのだろうが。おまけに、判決が曖昧だ。当時の米国とイスラーム諸国の関係の危うさも手伝って、ビリーの身にふりかかる運命は恐ろしい。さすがに映画向けにデフォルメされている部分もあるのだろうが、はじめはビリーや収容された他の欧米人たちの浅はかさ加減にあきれていたが、そのうちにそれだけじゃないことに気が付き、ドキドキが止まらなかった。もっとも、デフォルメしすぎた点には、原作者も抗議したらしいけれど。これも原作を読んでみたいところだ。
…ちなみに、本人による真実のミッドナイト・エクスプレスはこちら。これもすごいね。