3年間だけ続いた英国の小さなマヌーシュ・ジャズフェス"L'Esprit Manouche" Festival

"L'Esprit Manouche(レスプリ・マヌーシュ)"、直訳すると「マヌーシュの心意気」みたいな感じか。この単語を検索すると、CDが付いたマヌーシュ・ジャズ教則本が出てくる。
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ギターも弾けないくせに、教則本とはつゆ知らずにこの本を買ってしまったことがある私だが、実は同じタイトルの小さなジャズフェスがあったことを知った。英国はバーミンガムのモスレー私設公園にて、ジャンゴ・ラインハルトを偲んで2003年に始まったものだ。フェスは、2003年~2005年の3年間続けられたものの、財政上の問題から2006年には開催されなかったそうだ。残念な話だ。
すでにフェスティバルの公式サイトはなくなっているが、動画サイト上に、2004年の本フェス映像がたくさん残されている。そしてそこから、その出演者がいかに豪華だったかが想像できる。ブールー&エリオス・フェレ兄弟Boulou and Elios Ferreにシルヴァン・リュックSylvain Luc 、アンジェロ・ドゥバールAngelo Debarre、ゲイリー・ポッター・トリオGary Potter Trio、それにアンドレアス・オベルグAndreas Oberg、ロビン・ノラン・トリオRobin Nolan Trioと共演するティム・クリップハウスTim Kliphuisまで! マッチョ・ウィンテルステインMatcho Wintersteinという人は知らないが、苗字からして音楽家一族から出てきたギタリストだろう。以下に代表的な動画を挙げておく。

2004年のフェス動画だけ大量に投稿されているので、確実に楽しめるはずだ。
ちなみに、この2004年のフェス開催期間は、バーミンガム市内で問題となったようだ。なんでも、大分前から企画していた"l'Esprit Manouche"から1マイルも離れていない公園にて、まったく同じ期間に"Party in the Park"という音楽イベントが企画され、公園の使用許可が下りたらしいのだ。「この規模のフェスが同じエリアで2つも行われるのでは、音がぶつかって問題なのではないか」ある人の問題提起により審議がされ、近隣住民の支援なども手伝って、結局予定どおり"L'Esprit Manouche"が開催されたようだ。
なお、今でもMoseley Parkでは音楽イベントをやっている。その名もMostly Jazz Funk Soul Festivalだ。公園のジャズフェスというのは楽しそうだと思う。たとえジャンルが違っても、ね。
Mostly Jazz, Funk & Soul Festival 11th-13th July 2014 Birmingham Moseley Park