和菓子のアン(坂木司)

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

主人公の杏子(アンコとも読める)は、18歳。デパ地下にある和菓子屋「みつ屋」でバイトをすることになった。
色々な新製品のお菓子、その名前の由来をベースにしながら、お客さんとの会話の中に見つかる小さな謎解きが進む。同じ白生餡をベースにした「練り切り」と「こなし」の違いとか、お菓子の旬や旬を旧暦で見ることの可能性、おはぎは秋の呼び名で春は「ぼたもち」というが、萩と牡丹にかかわってくるとか…。辻占というお菓子があって、フォーチューンクッキーの原型だという話も面白かったなぁ。昔は花街で売られていたので、色恋話にまつわる内容の紙が入っていたことが多かったとか。「恋するフォーチューンクッキー」って、まさか辻占いの由来まで知ったうえでの歌ではないよなぁ(笑)。私なぞは、占いのクッキーとしてフォーチューンクッキー「しか」しらなかったので、目からうろこだった。