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ソウル・キッチン

Cinema

2009年、Soul Kitchen、ファティ・アキンFatih Akın監督、ドイツ

ソウル・キッチン

ソウル・キッチンとは、たぶんギリシャ人である主人公のジノスがハンブルクで経営するレストランの名前だ。冷凍食品をふんだんに使ったゴハンはお世辞にも食べ物が美味しそうとは思えないが、2人の従業員とともに運営していて、地元ではそれなりに繁盛している。
ジノスは、椎間板ヘルニアを悪化させるも、保険に入っていないせいできちんとした治療が受けられず苦労している。おまけに恋人のナディーヌは、上海へ転勤となった。そんななか、同級生のノイマン(これがいかにもドイツ人なのだ)が悪いたくらみで店を奪おうとするも、偶然出会った料理人シェインの手腕と音楽のお陰で店は活気を取り戻す。でもノイマンだって負けてはいない。仮出所中の兄イリヤスは無事お店を救えるのか…。ソウル・キッチンは復活するのか。
始めに出てくる料理は本当にショボいが、お店は広くて手作り感あふれており、おしゃれだ。これが、シェインのプロデュースで料理がどんどん変化し、その手ほどきを受けたジノスの腕前もどんどんあがていくのは痛快だ。悪い人がお店を奪う、というようなストーリーは痛々しくて見てられないものだが、反撃方法が痛快で許せる。
映像もポップで芸術的だ。好きなところは、ルキアとジノスが呑みあうシーン。カクテルの色が呑むたびに変化していて美しい。あとは、ジノスが上海に行ってしまう前に、お店に携わる6名で並んでゴハンを食べるシーンも好きだ。
もちろん音楽へのオマージュもフルだ。税金を納めていないせいでステレオを差し押さえられたジノス、税務署員にこういい放つ。「音楽がなかったら飢え死にしてしまう」と叫ぶシーン、いいなぁ。ジノスの着メロまで音楽愛が映画の隅々に隠れている。
さすが、あの音楽映画を撮影しただけのことはある。
クロッシング・ザ・ブリッジ 〜サウンド オブ イスタンブール〜 - 空間Annex
個人的に一番好きだったのは、ShantelのManolisという曲。この曲に合わせて、カザンザキス兄弟(ジノス&イリヤス)が踊るシーンも素敵。