Rainbow Duet(s) 。あのSelmer #607のプロデューサーが始めた、ギターとベースのプロジェクト。

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Rainbow Duet(s) というCDのことを知った。ジャケットのイメージから察することができるような、「ギターとコントラバスのデュオ」というなら、とくにジャズの世界ではよくある話だと思う。でも、メンバーをみて、マヌーシュ・ジャズが好きな人なら、ハッと気が付くはずだ。
アドリアン・モワニャールAdrien Moignard, セバスチャン・ジニオSébastien Giniaux, ロッキー・グリセットRocky Gresset、グウェン・カユGwen Cahue、アントワーヌ・ボワイエールAntoine Boyer…そう、参加ギタリスト全員が、マヌーシュ・ジャズの世界で活躍する若手ギタリストばかりなのだ。
このアルバムの仕掛け人は、ガリ・ハドゥフィGhali Hadefiという人だ。ピアノも弾けて、ギターにコントラバスをこなし、作曲もアレンジもするというマルチタレント。マヌーシュ界の若手ギタリストを集めて大ヒットしたプロジェクト、Selmer #607のプロデュース(そして、リズムギターとしても参加)をした人物でもある。今回は、ガリがベーシストとして演奏をしながら、今をときめく5名のギタリストとデュオ演奏をする、というものだ。うち2人(セバスチャンとアドリアン)は、Selmer #607の参加メンバーでもあった。
収録曲は、参加者オリジナル、またはジョビンやイヴァン・リンスといったブラジルの名コンポーザーの作品などであり、演奏スタイルなども含めてマヌーシュ・ジャズが好きな人には物足りないかもしれない。でも、少なくとも、今のマヌーシュ・ジャズ界のギタリストが抱える豊富な才能を再確認することはできるのではないか。プロモーション用の動画が準備されていた。
Antoine Boyer(紫)

Rocky Gresset(赤)

Gwen Cahue(緑)

Sébastien Giniaux(オレンジ)

Adrien Moignard(青)

やはりどのギタリストも演奏技術が高い。Ivan Linsのアレンジがとくに私好みである。
アルバムタイトルである「虹」にちなんだのか、各ギタリストには、上のリストにカッコで書いた色がテーマとして与えられているらしい。ご丁寧に、ガリはこのテーマカラーに基づいて、動画のテイクのたびにTシャツの色を変える、ということをしたのかもしれないが、私の見方が間違っていなければ、1人だけPV収録当時のガリのTシャツの色と実際に定められたテーマカラーが違ってしまっている人がいる。余力がある人はすべて確認をしてみていただきたい。
まあどんなに注意深く行動をしても、たまにはそんな間違いを起こすこともある。大事なのは演奏だ。さあ、どの色が良かったかな?
Rainbow Duet(s) - Adrien Moignard, Sébastien Giniaux, Rocky Gresset, Antoine Boyer, Gwen Cahue & Ghali Hadefi.