菱田春草展@国立近代美術館

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菱田春草生誕140年ということで、大回顧展に行ってきた。36歳には亡くなっているのだが、学生時代から亡くなるまでに描いた作品のうち、4点も重要文化財に指定されているらしい。今回その4点すべてを鑑賞することができた。
はじめは線描、つまり縁取りがあったのに、途中から輪郭がなくなっていく。没線描法というらしく、これが揶揄されて「朦朧体」と呼ばれたらしい。横山大観などもこの手法を用いており、のちの日本画に大きく影響を与えたようだ。
日本画の人は往々にしてそうかもしれないが、被写体の配置にある空間と色合いが素晴らしくて、予想以上によかった。とくに「躑躅」という作品は、マリメッコのような北欧のテキスタイルのデザインにもなりそうな、素敵なモチーフと少しパステルがかったこれまた独特の色合い。インドやアメリカ、ヨーロッパにも遊学していたというからその間に磨いた色彩感覚なのだろうか。「落ち葉」シリーズも、葉の紅葉や枯れ方の表現や奥行の出し方に特長があって素敵だった。

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春草作品を特長づけるであろう猫シリーズも豊富。柿と黒猫の位置関係というか間に横たわる空間が、猫をますます引き立たせる。猫シリーズはとくに人気のようで、たくさんの人がつねに鑑賞している状態だった。一番初めに描いた猫は白猫(ぶち付き)だったが、残りは黒い猫ばかりなのも面白い。背景がなくなればなくなるほど、ますます黒猫の方が絵のアクセントになりやすくなったんだろうなぁ…。
みどころ/菱田春草展
ちなみに、帰宅をしてからWebサイトをチェックして、展覧会のグッズがとてもかわいいことを知った。図禄も欲しかったが、猫手ぬぐいもかわいい。相当混雑していたので断念したのだが、やっぱり買うべきだったかなぁ…。
図録・グッズ・音声ガイド/菱田春草展
ちなみに美術館の常設彫刻は、身体かやわらかくて羨ましい。
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