ブラジルにみるホットクラブの情熱。"Festival de Jazz Manouche Piracicaba"

ブラジル音楽が好きな私だが、同じブラジルでもこちらはブラジルのマヌーシュ・ジャズの話。いつものようにネットをみていたら、こんな単語を見つけた。Festival de Jazz Manouche Piracicaba...ピラシカバ、マヌーシュジャズ フェスティバル。また新しいフェスが始まったのだろうか。そもそもピラシカバPiracicabaっていったいどこなのだろうか。調べてみたら、ブラジルはサンパウロ州にある都市だった。
そんなところでフェスティバルが…?と思ってよくよく調べてみると、どうやらこのフェスティバルは地元のホットクラブ、いわばマヌーシュ・ジャズ愛好会の人たちが主催によるものだった。彼らのWebサイトによれば、現在いわゆる「ホットクラブ」が存在する有名な都市としては、ノルウェーデトロイト、サンフランシスコ、ナッシュビル、ベルリン、スウェーデン、アルゼンチン、そしてすでに66年以上の歴史をほこるポルトガルなど。そんななかで、このブラジルのピラシカバでも2008年、判事であり地元のギタリスト、フェルナンド・セイファルスFernando Seifarthと仕事仲間でTJB(Traditional Jazz Band Brazil)のクラリネット・サックス奏者でもあるマーク・モナコMark Monaco、そして同じくTJBのドラマーであるシダン・リマCidao Limaの3名によって、Le Hot Club de Piracicabaホットクラブ・ドゥ・ピラシカバが設立されたそうだ。設立から間をおかず、すでにこのホットクラブでは"Jazz a La Django"と"Quinteto do HCP"という2枚もCDを出している。このCDの売上はすべて寄付に回るとか。

このフェスティバルについてあまり細かい情報は得られなかったのだが、2012年8月に第一回、2013年5月に第二回が開催された模様だ。第二回のものと思われる動画をいくつか見つけたのでこちらで共有しようと思う。

"Aquarela do Brasil"や"Trem das Onze"といったブラジルの作曲家による曲をマヌーシュジャズで演奏するそのセンスが素敵だと思った。他のホットクラブも地国の曲をマヌーシュ・ジャズにアレンジしたりするのだろうか。アルゼンチンならタンゴ、ポルトガルならファドという具合に…俄然興味がわいてきた!