勘九郎とはずがたり

 

 

勘九郎とはずがたり (集英社文庫)

勘九郎とはずがたり (集英社文庫)

 

 

 

 年末年始、テレビで中村屋特集をするたびに、かつての中村勘九郎の本を読みたくなる。この本は亡くなった当時の勘九郎の談話を書き留めたもの。名優といわれた偉大なる父親、勘三郎の数々の思い出や天才ぶりを示すエピソードがつまっている。そして、子供の頃のヤンチャぶりやお姉さんの波乃久里子についてとか、奥様との出会い、勘太郎七之助のことなど…。舞台のアドリブに対応したような笑える話のなかに、親子愛を感じる話があってほろりとくる。すでに当時の勘九郎が故人だからなおさら、かな。ご縁や奇跡を程よく信じているところもいいなと思った。