マヌーシュ・ジャズ・トリオ"だった"The Lost Fingersが迎えた4人目のメンバー。

2008年にカナダのケベックで結成されたロスト・フィンガーズThe Lost Fingersというマヌーシュ・ジャズのグループはかつてトリオで活動していたのに、最近の動画にはボーカルの女性がつねにいる。不思議に思って調べてみたら、昨年からカルテット、つまり4人組で活動していることが判明した。そもそも、初期メンバーのギタリスト、クリスチャン・ロベルジュChristian Robergeがグループを去り、代わりにフランク・リウーFrank Riouxというギタリストが加入。そして、4人目のメンバーとして加入したのが、歌姫ヴァレリー・アミョValérie Amyotだ。グループのリーダーであるギタリスト、ビロン・ミカロフByron Mikaloffが彼女の声にほれ込んでの加入とのことだが、ヴァレリーの経歴情報見当たらない。代わりに、彼女がロスト・フィンガーズに加入した経緯を書いてある記事を見つけた。
Une nouvelle voix pour The Lost Fingers | Ian Bussières | Disques
この記事によると、彼女とミカロフは共通の知人の誕生日会の席で一緒になり、ミカロフが、その会で偶然ギタリストとともに歌声を披露した彼女の声やルックスに惚れたそうな。Earth, Wind and Fireが好きということでも盛り上がったとかで、後日彼女を他メンバーにも紹介。もともと企画していたメタルの名曲をマヌーシュ・ジャズで演奏…というプロジェクトも、彼女の声を考慮して変更し、その結果できたのが昨年の春にリリースした"Wonders of the world"というアルバムだったという。
なるほど、きっとメタルのプロジェクトは、たとえばメタリカの"One"を演奏している頃か。

そして、ヴァレリーが加入してからはポップス路線へ回帰した、ということなのだろう。

Daft Pankの"Get Lucky"の演奏は、彼らがマヌーシュ・ジャズバンドだということを忘れそうになるアレンジのような気もするが、こうしてマヌーシュ・ジャズのリスナーが広がれば、それもまた良し。