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シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜

Cinema

Comme un chef, 2012年、フランス、ダニエル・コーエン監督

料理人のジャッキー・ボノ。有名な料理人のレシピを完璧に覚えているのが自慢だが、こだわりのあまりお客さんにも自分の好みを押し付けたりする結果、なかなか料理人としての定職にありつけない。恋人の妊娠をきっかけに、ペンキ屋として働くことになった。
その仕事場でのある偶然の出会いの結果、ひょんなことからその確かな味のセンスを見込まれて、三ツ星レストランのシェフ、アレクサンドル・ラガルドの元で働くことになった。恋人にそのことをどう告げるのか。そしてジャッキーはきちんと巨大な組織の中でうまくやっていけるのか。
コメディなので基本的には登場人物がみんな自分の過ちに気が付いてそれを正し、いじわるな人たちの差し金にもガッツで乗り切って成功を収めるという、ハッピーな結末になので観ていて楽しい。そして、中にはちょっと皮肉も。たとえば…映画に出てくる、「分子料理la cuisine moleculaire」というのは、明らかに「エル・ブジ」を彷彿とさせる。三ツ星をキープするために新作を考えるも行き詰ったアレクサンドルに、分子料理を教えるためにやってきたスペイン人シェフとの掛け合いは、なんとなく、フェラン・アドリアへの皮肉にみえてしまった。
日本に関する小ネタが出てくるが、コメディだし、日本大好きなジャン・レノがやっていることだし、まあこれはご愛嬌ということでよしとしよう。思わず笑ってしまったし。あとは…ジャッキーの妻、ベアトリスを演じた女優さん、ラファエル・アゴゲRaphaëlle Agoguéが美しかったし、声も素敵だった。調べてみたら…"Avis de Mistral"という映画でもジャン・レノと共演していたことがわかった。この映画、観たはずなのに…そうか。たぶん、耳の聞こえない男の子の母親か何かを演じていたのと、最後に少し登場しただけだったので、あまり声の印象がなかったのかな。