ドラド・シュミット一族のバンド"Dorado Schmitt Familia" のマヌーシュ・ジャズライブ

KubicTVは、ドイツ語とフランス語、2カ国で放送される、いろいろな国の音楽を紹介するカルチャー専門番組だ。2012年9月より6つのテレビ局で放映を開始したが、残念ながら2014年末に番組は終了してしまったらしい。しかしKubicTVのチャンネルは動画サイトにきちんと残っており、その中から、ドラド・シュミットDorado Schmittのバンドが出演した時の映像を見付けた。

まずは、ドラドが司会者のインタビューに答える。次に、ドラド抜きの4人で"Sonny day"を演奏。Sonnyとは、シュミット家の兄弟で一番若い、ソニー・アマティ・シュミットSonny Amati Schmittのことだ。次にそのソニーが、兄のサムソン・シュミットSamson Schmittと司会者の元に呼ばれる。サムソン、杖ついている気がするが大丈夫だろうか…。司会者は、ソニーとサムソンにこの"Sonny Day"がいつどのようにしてできたものか、どのように楽器や音楽と出会って今に至るのか、などの質問を浴びせる。キャリアの質問について、サムソンは6歳でギターを始めたのに対し、ソニーは4歳でピアノ、その後バイオリンやらベース、ドラムなどひととおりの楽器経験を経てから、ギターに着手したようだ。
「もし音楽をやっていなかった自分たちを想像できる?」という司会者の投げかけに、「ありえない。なぜなら自分のコミュニティや家族では、音楽は父親から息子に受け継がれるものであり、自分たちはギターを手にして生まれたようなものだから」と言っていた。その後、ブロンソンの"En Voyage(旅へ)"やサムソンの作品"Pour Mon Pere(父へ)"という曲をソロ演奏してから、最後は6人、つまり、ドラド、サムソン、ソニー以外にブロンソン・シュミットBronson Schmitt、フランコ・メルシュタインFrancko Merhsteinにベースのジノ・ロマンGino Romanで大合奏と相成った。
この番組のお陰で、苗字の違うフランコとジノも、シュミット一家の遠い親戚であることがわかった。つまり、"Dorado Schmitt Familia Sextet" はバンド名だけでなく本当に一族バンドだった、というわけだ。
最後の曲のタイトルがよくわからなかったけれども、それぞれの家族が、自分の家族に関係するキーワードを元に各自の作品をバランス良く演奏していく様子に、シュミット一族の絆を感じたのだった。

Torino Jazz Festival (TJF) 2013に出演したDorado Schmitt Familia Sextet - 空間Annex