奇跡

2011年、是枝裕和監督、日本

昔から予告編をみて気になっていた映画。両親の離婚に伴い、鹿児島に母親と住む兄と福岡に暮らす弟。それぞれが転居先に友達もできてうまく暮らしているようにみえるが、兄弟は、いつかまた4人で暮らしたいと願っている。(とくに兄がそれを強く願っているようにみえる)。
鹿児島から福岡に向かう新幹線「さくら」とその反対の路線「つばめ」が初めてすれ違うのをみると願いがかなうという噂を耳にした兄弟は、途中の地点で合流して一緒にその現場をみにいく計画を立てる。
漫才コンビ「まえだまえだ」の兄弟がいい味を出している。お茶目で愛嬌あってその場の状況をつねに楽しめる、人気者で能天気にみえる弟と、思慮深くて弟思いな兄。是枝監督の作品らしく、登場する子どもたちの会話や演技がとにかく自然体である。JR九州新幹線の開業に合わせた企画映画にしては出来過ぎていると思ったが、感動してしまうのは子供たちの演技によるところが大きいのではないか。子供たちがそれぞれ願い事を叫ぶシーンでは不覚にも泣きそうになってしまった。

奇跡【通常版】 [DVD]