ツィンバロムとマヌーシュ・ジャズの不思議な共演@Djangofollies

毎年1月にジャンゴ・ラインハルトの生誕を記念して行われる、ベルギーのジャズフェス、Djangofollies。

第21回ジャンゴフォリー(Djangofollies) 2015、絶賛開催中。 - 空間Annex

開催から数週間が経過した今、ベルギー各地で行われるフェスの様子が動画でアップされているのだが、その中に面白いものを見つけた。なんと、ツィンバロムという楽器がマヌーシュ・ジャズと共演しているのだ。

ツィンバロンを囲むのは、オランダを本拠地とするリンバーガーLimberger一族のバンド、Limberger Familyである。リンバーガー家で一番有名なのは、今は亡きバイオリニストのピオット・リンバーガーPiotto Limbegerだろう。彼が60年前に結成したバンドPiotto'sからリンバーガー一族の音楽の歴史は始まっており、いまだにその子供であるVivi Limbergerやさらにその子供のTcha Limbergerもミュージシャンとして活躍している。今回の出演メンバーは、Jan Limberger(g/vl), Martin Limberger(g), Biske Limberger(b), Storo Limberger(tp)となっている。彼らがPiottoとどういう血縁なのかは調べられなかったが、少なくとも同じ苗字を共有する親戚筋だけでいかなるフォーメーションでもバンドが結成できるということがわかった。

そして、この舞台の中央で机のようなものを2本の棒でたたいている人がいるが、こちらがツィンバロムという楽器である。演奏しているのは、ジアニ・リンカンGiani Lincanというルーマニア出身の有名なツィンバロム奏者だ。5歳で、やはりツィンバロム奏者だったおじいさまからこの楽器の手ほどきを受けたというから、生まれながらにしてこの楽器を奏でる運命にあったのだろう。口伝だけでなく教育機関でもツィンバロムを学んだ結果、クラシックもジャズも演奏できる稀有な奏者でもあるようだ。
ジアニはジャンゴフェスにも出演経験があるようだし、もしかしたら観たことがある人もいるかもしれないのだが、マヌーシュ・ジャズにツィンバロムとは珍しい組み合わせだなぁと思ったのだった。