Angelo Debarreのギターができるまでをつづった15分のドキュメンタリー

このブログで何度か、フランスにおけるギターメーカー(ギター職人)とマヌーシュ・ジャズギタリストのプロモーション動画およびイベントを紹介してきた。asquita.hatenablog.jp

今回見つけたのは、あのアンジェロ・ドゥバールAngelo Debarreが登場する動画だ。ギター制作のドキュメンタリーでもあり、同時にこのギターメーカーのプロモーションの役割を果たしていると思う。

アンジェロが使っているギターは、フランスのノルマンディ地方、ルーアンにあるギターメーカーGuitares ALDの職人、ジェラルド・アロンソGérald Alonsoとファビアン・ル・ドスールFabian Le Dosseurの手によるものだ。アンジェロ曰く、今まであったギター職人の中で一番若手の二人だが、だれもが弾きやすいギターを作ってくれるとか。アンジェロは、マヌーシュ・ギターの専門店らしいGuitar Villageというお店の店主にこのギターを紹介されたとか。さわってみるととてもよかったので店主に質問をすると「これがこのギター職人たちの初のモデルだ」と。初の作品がこんなに素晴らしいなら…と工房を訪れ、自分のギターをオーダーしたとのこと。それこそ、木の材質と色味の好みをアンジェロが告げる。「黒檀ではない、黒い色の木で作ってほしい」と。すると2人の職人は、その答えとして4,000年もの間100メートルの水面下に沈んでいた、黒く変色したオーク材を見つけてくるのだ。
ギターの制作過程をみながら、アンジェロは自分とギターの関係についても話す。ギターのディテールの装飾(フレットのところにハリネズミがいたりする)や色合いへのこだわりについての話、奥様の次に愛しているギターについての話など興味深い。また、アンジェロがギター職人との強いきずなをとても重視していることがよくわかる。最後、チャボロ・ハサンTchavolo Hassanをリズムギターに従えてのためし引き映像もまた素晴らしい。
これを観れば、ギタリストは既製品ではなくハンドメンドの、演奏者のことを考えて調整されたギターをほしくなってしまうに違いない。

ちなみに彼らのギターはこちらのGuitar Villageに納品されているようだ。
Guitare Village, magasin et école de musique à Domont, 95 - Val d'Oise guitares neuf et occasion