【松本2DAYS】鄙の宿金宇館@美ヶ原温泉

昭和3年に、瓦屋だった先代が掘り当てた温泉をベースにした温泉宿に宿泊した。今は四代目の息子さんが料理を担当しているらしく、この料理もとても評判だという。松本駅から40分くらい住宅街をてくてく歩き、坂をちょっと上がったところにある。


古風なたたずまい。入口の振り子時計と一輪挿しにすでにぐっときてしまう。あめ色のつやが出た床、桐ダンス、すべてが素敵。民藝の街にぴったりのお宿といえる。


私たちは別館に案内された。その途中にある応接ルーム。タバコを吸う人はここで休憩しているみたい。真空管アンプを使っているので、オーディオの音も魅力的だ。



お庭を眺めながらの食事がまたよくて、感動の連続だ。たった1年の外修行でこんなに魅力的な料理が作れるものかしら。地場の食材や旬の食べ物を地酒とともに楽しんだ。ふきの苦みやうどの意外なクセのなさに感動、タコの柔らかさに感動、わさびの花に感動、新玉ねぎのポタージュみたいな茶碗むしに感動…。デザートのきなこアイスまでが、自家製ならではの食感とおいしさ。

地元の玄米みそをつかったお味噌汁とおひつご飯の朝食も美味しかった。

離れのほうにも応接があり、こちらはもっとひなびた雰囲気。レトロな電気の傘と飾られている絵の色がマッチしていて素敵。モダンな和室という感じだ。ここで思う存分読書をして過ごすのもまたいいな、と思った。窓からは里山が見える。

自慢の温泉は、いかにも効能がありそうな温泉を求めている人には物足りないかもしれないが、とくに洞窟風呂はなかなか良かった。宿の隅々まで手入れが行き届いている感じがすごく落ち着く。この宿でもう少し四季を感じてみたいな。

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