南仏モンペリエは、なぜかマヌーシュ・ジャズが盛ん?  "Argelliers Jazz Estival"

フランス、オクシタニー地域圏エロー県といわれてピンと来る人はなかなかいないかもしれない。南仏モンペリエがある場所といわれたらイメージがつくだろうか。そのモンペリエから25分くらい車で内陸側に進んだアルグリエArgelliersという場所で最近始まった音楽フェスがある。アルグリエ・ジャズ・エスティバルArgelliers Jazz Estival。フェスティバルではなく「エスティバル」ということで、毎年夏の開催だ。2016年に開催された第4回目のフェスは、7月22~23日の両日に開催されていた。

このフェスは、「ジャンルを混在させる」のが特徴とのことだが、過去4回までの開催で、毎年必ずマヌーシュ・ジャズのアーティストが参加している。2013年は、Manouchenko、2014年はDrom Blanchard & Paul Guta Quartet、そして2015年はSoleil Nomade、Drom Blanchard & Paul Guta Quartet invite Adrien Marcoといった具合だ。フェスに出るミュージシャンの数が限られるなか、必ずマヌーシュ・ジャズのアーティストが入ってくるとは面白い。
では、2016年はどうだったか、というと、このポスターにもあるとおり、Soleil Nomadeというマヌーシュ・ジャズのグループに加え、Stochelo Rosenbergストーケロ・ローゼンバーグが出演したようだ。昨年参加した、ドロム・ブランシャールDrom Blanchardとヴァイオリンのポール・グタPaul Gutaとも共演したとか。
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なぜこんなにマヌーシュ・ジャズがもてはやされているかというと、きっとドロム・ブランシャール・トリオの存在だろう。リーダーのドロムはフランスのジュラ県出身だが、メンバーのギタリストニコラス・ソウサNicolas Sausaはモンペリエの学校を出てそのままモンペリエを中心に活動をしているし、やはりモンペリエを中心に活動しているSoleil Nomadeにも参加している。ポール・グタはツィガーヌ出身のヴァイオリニストとして、"Hot Club de Montpellier"のヴァイオリニストとしても活躍している。モンペリエがマヌーシュ・ジャズが盛んだとは知らなかった。

ストーケロとドロムのクアルテットの共演はこちらの動画で観ることができる。