R.I.P. Didier Lockwood...マヌーシュ・ジャズの発展に貢献した仏バイオリニスト

ディディエ・ロックウッドDidier Lockwoodが亡くなったという訃報が飛び込んできた。享年62歳。2月17日にパリのbal Blometというところで行われたコンサートの直後に起こした心臓発作が原因で、亡くなったと報道されていた。まだ若くて活躍が期待されるヴァイオリニストだったのに。

ディディエはフランスのカレーCalaisという、ドーバー海峡に面した町にて1965年に生まれた。父親が音楽教師だそうなのでその影響もあるのか、7歳よりヴァイオリンを開始、地元のコンセルヴァトワールを出て、17歳でフランスのプログレッシブ・ロックバンド、Magmaのメンバーとしてデビューしたという。
私が知っているディディエは、2000年にDreyfusからリリースされた、"Tribute To Stéphane Grappelli "というアルバムあたりからかな。Biréli Lagrèneも共演しているということから、本作品を入手したのだった。
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ただ、ディディエの活動はマヌーシュ・ジャズにはとどまらず、多方面にわたっていたようだ。2001年には、フランスのダマリー-レ-リスDammarie-les-Lysという場所に、音楽学校" Centre des musiques Didier Lockwood(ディディエ・ロックウッド音楽センター)"を設立し、生徒の指導にあたっていた。また、無料でミュゼットやマヌーシュ・ジャズが楽しめるフェス"Festival Jazz Musette des Puces"を主催するなど、目立った活躍をしていた。
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2017年11月には、アンドレ・チェッカレリAndré Ceccarelli、アントニオ・ファラオRomain Antonio Faraoらと "Open doors"というアルバムをリリースしており、このプロモーションのためにもライブに精を出していた矢先だった。

訃報を伝える記事は、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語等でも出ており、ディディエが世界で活躍していたさまがよく伝わる。また一人、素敵なミュージシャンがこの世を去った。どうぞ安らかに…。